ダイエーとダイソー、流通革命の先駆者たちに迫る新刊書籍

日本の流通革命の立役者たち

2024年10月16日、株式会社東峰書房が新刊『ダイエー中内功とダイソー矢野博丈流通革命の旗手』を発売します。本書は、昭和・平成にかけて日本の流通業界を変革した二人の経営者、中内功と矢野博丈に焦点を当てています。著者は500冊以上のルポルタージュを手掛けた大下英治氏で、彼の豊富な取材を元に、二人の人生や業績を深く掘り下げています。

中内功：安売りの哲学

ダイエーの創業者である中内功は、厳しい従軍経験を経て、「安売り哲学」を掲げました。彼は、日本一の流通グループを目指し、価格競争を大胆に展開しました。「一度市場に出た商品の価格は、需要と供給で決まるべきだ」という考えのもと、メーカーとの激しい対立を繰り返し、価値を見極めて安価に商品を提供することで、ダイエーは着実に成長しました。彼の経営スタイルは、力が全てであるという信念に基づいており、その背後には自身のコンプレックスが隠れていました。戦後の困難を乗り越え、ダイエーは全国に店舗を持つまでになりました。

矢野博丈：100円ショップの巨人

一方、ダイソーを創業した矢野博丈氏もまた特異な経歴の持ち主です。彼は、家庭の没落を背景に、常に未来への不安を抱いていました。その反面、彼は商品一点一点を徹底的に計画し、自信を持って販売しました。「100円でも高級品を売っている」という自負のもと、ダイソーは国内外での急速な拡大を遂げました。現在もダイソーは国内4042店舗に加え、海外で2296店舗を展開し、幅広い商品を100円というリーズナブルな価格で提供しています。

二人の足跡を追う

本書では、中内と矢野の青年時代、経営哲学、流通業界での挑戦、そしてその後の繁栄と苦悩までを詳細に描写しています。彼らの成功の背後にあるストーリーは、単なるビジネス成功物語にとどまらず、日本経済の成長と密接に結びついています。二人の経営者がどのようにして日本の流通革命を引き起こしたのか、その軌跡を確認することができます。