旭化成ホームズが注目する健康長寿の取り組み
東京都千代田区に本社を持つ旭化成ホームズ株式会社が、自立からフレイル状態のシニア向け賃貸住宅「ヘーベルVillage」で画期的な健康寿命の支援に取り組んでいる。この取り組みが評価され、厚生労働省・スポーツ庁が主催する第14回「健康寿命をのばそう!アワード」において、同社は優良賞を受賞した。この取り組みは、単に住まいを提供するだけでなく、入居者が健康で豊かな生活を送るためのサポートを行うものだ。
シニア向け賃貸住宅「ヘーベルVillage」の特徴
「ヘーベルVillage」は、2005年から運営が始まったシニア向けの賃貸住宅で、内装はバリアフリー仕様。住環境は1LDKから2LDK、広さは45㎡から75㎡まで多様に用意されている。ここでは、スタッフ常駐や食事提供はないが、夫婦での入居も可能で、プライバシーを尊重した自由な生活が送れる。さらに、月に一度、社会福祉士による相談訪問が行われている。緊急通報装置や見守りセンサーなども配備されており、安心のサービスが整っている。
健康を維持するための「安心・安全・健康長寿応援メソッド」
2022年から本格的に導入された「安心・安全・健康長寿応援メソッド」は、入居者が日常生活を通じて健康行動を維持・促進することを目指すもの。このメソッドは、以下の3つの要素に基づいて構築されている。
1.
活動や交流を促す住まいの設計
2.
健康長寿を意識した面談
3.
自然な交流を生み出す仕掛け
これらの要素を通じて、入居者が自身の健康状態を直視しながら、自分のライフスタイルを確立できるようにサポートされる。相談員は入居者の活動を見守り、行動を後押しする役割を担っている。
受賞の裏付けとなるデータと成果
2022年8月から2023年1月にかけて実施されたアンケート調査では、112名中97%の参加者が健康行動を維持もしくは増加させ、フレイル状態の入居者が約5%減少したことが明らかになった。また2025年に行われた追跡調査では、71.9%の入居者がプレフレイル以上の健康を維持していると判明した。これは一般的なシニアよりも7.8ポイントも高い数値であり、入居者の健康維持に成功していることが示されている。
楽しむことが健康に繋がる
追跡調査の結果、入居者からは「面談が楽しみ」「家事も運動として捉えている」といった声が上がっており、日常の中での楽しみや工夫が健康的な生活に寄与している様子が伺える。また、ダンス会の自主開催など、自発的な活動の広がりも確認されている。
まとめ
旭化成ホームズが展開する「ヘーベルVillage」は、単なる住まいの提供を超えて、入居者の健康寿命を延ばすための実践的な取り組みを展開している。今回の受賞は、その努力が評価された結果であり、今後の健康維持やフレイル予防のモデルケースとして注目されるだろう。高齢社会が進む中、こうした取り組みがより多くの人々に広がり、健康的なシニアライフを支える体制が整うことを期待したい。