ブラザー工業が環境意識を高める取り組み
ブラザー工業株式会社は、米国のIT専門調査会社IDCが発行した「IDC MarketScape: Worldwide Hardcopy Remanufacturing 2025 Vendor Assessment」において、プリンターの再生に関するリーダーと認定されました。このレポートは、世界中の主要なプリンターメーカーの製品や消耗品に対する再生の取り組みを調査し、評価を行ったものです。
ブラザーが高く評価された理由の一つは、トナーとインクのカートリッジ両方に対応している、唯一のプリンターメーカーであることです。さらに、再生しやすいカートリッジ設計に取り組んでいる点も評価されました。
プリンターの再生活動
ブラザーは、使用済みのトナーカートリッジを回収し、新品と同等の品質を持つカートリッジに再生する活動を行っています。この取り組みは2004年に英国の工場で始まり、現在ではスロバキアや米国、日本にも展開されています。2024年3月末までに、ブラザーグループ全体で4,000万個以上のトナーカートリッジを再生する見込みです。2023年度だけでも、270万個のカートリッジを再生し、4,700トンのCO2削減、1,000トンの新規資源削減に貢献しています。
また、2024年には英国の工場でインクジェットプリンター用のインクカートリッジ再生を開始する予定です。欧州各地から回収したカートリッジを再生し、同等の品質の製品を出荷することで、さらに環境への配慮が進むでしょう。
環境ビジョン2050の実現に向けて
ブラザーは、「ブラザーグループ 環境ビジョン2050」を掲げ、2050年度に向けて資源循環の最大化を目指しています。このビジョンでは、廃棄物に関わる環境負荷を最小化し、2030年度までに2022年度比で新規資源を25%削減する目標が設定されています。また、持続可能な資源の活用を重要な社会課題として位置付け、2027年度までには売上収益あたりの新規資源使用量を2022年度比で16.9%減少させることを目指しています。
ブラザーグループは今後も地球環境に配慮した企業活動に積極的に取り組む姿勢を示しており、その姿勢がプリンター業界においてもさらなる影響を与えることでしょう。IDCの評価も、この取り組みが広く認識されたことを示しています。今後のブラザーグループがどのように環境問題にアプローチしていくか、その動向が期待されます。