「なかよし共和国号」が南アフリカへ
東日本大震災から15年が経過する中、岩手県大槌町から出発した移動図書館車「なかよし共和国号」が、南アフリカの教育支援に新たな役割を果たしています。この車両は、被災した大槌町での復興に貢献し、今では約13,000km先の南アフリカの子どもたちに「学び」と「希望」を届けています。
大槌町の復興を支えた移動図書館車
2011年に発生した東日本大震災は、岩手県大槌町に甚大な被害をもたらしました。人口の約1割が失われ、町立図書館も大きなダメージを受けたため、復興の歩みは厳しいものでしたが、2012年2月に日本ユネスコ協会連盟から寄贈された「なかよし共和国号」は、町の希望の象徴となりました。
移動図書館車として運行を開始して以降、住民の方々に図書を届け続け、地域の学びの場として多くの人々に利用されました。2018年には町立図書館が再建され、運行は続けられましたが、「なかよし共和国号」は新しい任務に向かうこととなりました。
南アフリカで次なる永続的役割を担う
「なかよし共和国号」は2022年に南アフリカでの教育支援プロジェクトの一環として、出港式を経て現地に寄贈されました。現在は南アフリカ・ハウテン州の教育図書館の主力車両として活躍し、子どもたちに本を届けています。この活動では、図書の貸出だけでなく、読み聞かせの授業も行われ、多くの子どもたちが本と触れ合う機会を得ています。
大槌町の子どもたちの想いが南アフリカに
「なかよし共和国号」は通常、寄贈先の文化に合わせて再塗装されることが多いですが、今回は特例として大槌町の子どもたちの描いたイラストがそのまま車体に残されています。このデザインは南アフリカの子どもたちにも心が伝わる重要な要素となり、震災を体験した子どもたちの想いが、異国の地で新たな出会いを生んでいます。
SAPESI-Japanの活動
特定非営利活動法人 SAPESI-Japanの鈴木俊幸事務局長は、2026年に南アフリカを訪問した際、学校での読み聞かせ授業の様子を目の当たりにし、深い感動を覚えました。「震災を乗り越えた車両が、今では南アフリカで新たな学びを提供している様子を見て、善意の連鎖が実現し、そのバトンが国境を越えていることに喜びを感じました」と彼は語ります。
未来のために続く善意のリレー
震災から復興を支えた「なかよし共和国号」は、これからも南アフリカの子どもたちに本や学びを提供し続けることになります。SAPESI-Japanは、引き続き日本と南アフリカを結ぶ教育支援活動に力を入れていく方針です。この物語は、地域の復興から国際的な教育支援への発展を示す象徴であり、未来をより良いものに導く力を持っています。
団体概要
- - 名称:特定非営利活動法人 SAPESI-Japan(南アフリカ初等教育支援の会)
- - 所在地:東京都港区浜松町2-2-15-2F
- - 代表者:理事長 池澤憲一
- - 設立:2008年12月
- - 事業内容:南アフリカ共和国への移動図書館車の寄贈および教育支援事業
- - URL:sapesi-japan.org