50歳からのシニア層が熱視線を送るeスポーツの実態に迫る

近年、デジタルゲームによる趣味の幅は広がりを見せています。特に、かつては若者向けとされていたeスポーツに対する関心が50歳以上のシニア層の中でも高まっています。これは、株式会社ハルメク・生きかた上手研究所が行った意識と実態調査によるもので、50歳から86歳の女性398名を対象に、eスポーツに関する意見が収集されました。

調査結果の概要

調査によると、デジタルゲームの経験率は41.7％で、2023年に比べて9.4ポイント増加しました。この結果からも、シニア層におけるデジタルゲームの人気が上昇していることがうかがえます。しかし、オンラインゲームの経験率は5.5％と依然として低い水準にあり、デジタル機器を介したプレイが一般的ではあるものの、オンラインでの競技にはまだ多くの壁があるようです。

eスポーツの認知と関心

「eスポーツ」に対する言葉の認知率は91.5％と高いものの、実際にプレイしたことがある人はわずか1.8％という結果に。視聴経験率も17.3％に留まり、認知度に対して実体験は限られています。その中でも、より多くのシニアがeスポーツに「プレイ」または「視聴」として関心を持つ割合は47.7％にも達しているのです。特に70歳以上の層では、プレイ意向が見られることが特徴的です。

興味を引く理由としては、「脳に良そう」、「ストレス発散」、「人と交わりながら遊べる」といった健康やコミュニケーションに関連する要素が上位を占めました。一方で、関心が薄い理由としては「目に悪そう」といった身体的懸念が多く見られ、これがシニア層のeスポーツ参加の障壁となっていることが分かります。

シニア層のポジティブな見解

調査に参加したシニア女性からは、デジタルゲームやeスポーツに対する興味を示す声が上がっています。「気軽にできる」「ルールが簡単」といった意見が多く寄せられ、昔のゲームに比べてアクセスしやすさが評価されています。また、「年齢や性別の差を超えて楽しめる」という、eスポーツの特性に魅力を感じる人も増えているようです。特に、バリアフリーであり、さまざまな背景を持つ人々が平等に楽しめる点が支持を集めています。

加えて、「認知症予防」や「健康増進」といった言葉が響くことで、eスポーツが単なる娯楽の域を超え、福祉的な側面を持った活動であることも徐々に広まってきています。

まとめ

今後、シニア層におけるeスポーツの認知と関心が高まることで、新たなマーケットが形成される可能性が考えられます。若者向けのイメージが強いeスポーツですが、シニア層向けのプログラムやイベントが増えることで、さらなる参与を促すことができるでしょう。「脳に良い」「コミュニケーションができる」などの側面は、この世代にとって大変魅力的であり、今後の展開に期待が寄せられています。専門家も、シニア層に向けたeスポーツの普及が進むことで、生活の質が向上し、より豊かな生活が実現されると見込んでいます。