パナソニック コネクト株式会社は、内閣官房が推進する「三位一体労働市場改革分科会」に参加し、人的資本経営の強化を図るための人事制度改革に取り組んでいます。この改革は、日本の新しい資本主義の実現に向けた重要なステップとして位置づけられています。
2024年9月5日、パナソニック コネクトのCEOである樋口泰行氏は、岸田内閣総理大臣をはじめとしたジョブ型人事を導入する企業の経営者たちと意見交換を行いました。樋口氏は、この改革により社員が自らの市場価値を高め、キャリアを自分で切り開く意識を育むことが企業の競争力向上に寄与するとの考えを示しました。
ジョブ型人事の導入背景
パナソニック コネクトは、競争力を高めるためにカルチャー改革、オペレーション改革、事業立地改革の三つの柱を持つ改革を2017年から推進しています。この流れの中で、ジョブ型人材マネジメントの導入が決定され、全社員を対象とした新たな制度が2023年度より実施されています。これにより、事業戦略と人材戦略を連動させたダイナミックな人材ポートフォリオが構築され、社員自身が挑戦し成長するサイクルを加速させることが目指されています。
三位一体労働市場改革とは
三位一体労働市場改革は、「経済財政運営と改革の基本方針2023」に基づいており、リスキリング、ジョブ型人事の導入、成長分野への労働移動の円滑化の三つの柱を持ちます。この改革の目的は、業種を問わず日本企業と外国企業の賃金格差を是正し、性別や年齢による賃金格差を解消することにあります。
パナソニック コネクトの取り組み
パナソニック コネクトは、ジョブ型人材マネジメント導入にあたり、次の三つの重点施策を設定しました。
1.
評価の権限委譲: 昇給や賞与の決定権を組織責任者に委譲し、社員の個々の成果に応じた報酬を決定する仕組みを導入。
2.
役割と責任の明確化: グローバルスタンダードに基づいたジョブディスクリプションを導入。
3.
市場に応じた報酬設定: ジョブに応じて適切な報酬を設定し、人材の流動性を高める。
これらの改革により、パナソニック コネクトは人材の流動性を高め、事業戦略に応じた人材ポートフォリオを構築し、外部からのスキルを有する人材の獲得がしやすくなりました。また、年齢に関係なく新しい人材を登用し成長を促進する体制が整い、これまでの日本企業では考えられなかった施策も積極的に取り入れるようになっています。
結論
パナソニック コネクトの取り組みは、経済や人材の流動性を高め、市場での競争力を確保するための重要な一歩となっています。内閣官房との連携を強化し、「ジョブ型人事指針」の策定に貢献することで、日本における人事制度の改革をリードしていくことが期待されています。今後の進展が注目されるところです。