日本の新型コロナワクチン接種意向調査
2025年に実施されたモデルナ・ジャパン株式会社の「アジア5市場ワクチン意識調査」の結果、日本の新型コロナワクチン接種意向がアジア5市場で最低水準であることが明らかになりました。この調査は、韓国、台湾、香港、シンガポールと日本を対象に、ワクチン接種状況や意向を尋ねたものです。
調査結果の概要
調査によると、過去12ヶ月で新型コロナワクチンを接種した日本人の割合は11.9%で、アジア5市場平均の27.9%を大きく下回っています。さらに、新たな変異株に対するワクチン接種意向は29.5%で、アジア5市場平均の45.4%に比べて約16ポイント低い数値となっています。この傾向は、同時接種についても見られ、日本での同時接種希望率は11%、アジア5市場平均の34%を下回っています。
接種をためらう理由の一つとして、副反応への懸念が挙げられています。この理由が日本で32.7%、アジア5市場平均は34.6%で、接種をためらう主要因となっているのです。費用面も接種意向に影響を与える一因として示唆されていますが、心理的なハードルを解消するためのサポートが求められています。
コロナ後遺症に対する意識
興味深いことに、コロナ後遺症への懸念は日本で18.9%と、アジア5市場の平均15%を上回っており、依然として新型コロナウイルス感染症を健康リスクと捉える日本人は多いことがわかりました。特に、高齢者にとって新型コロナウイルスのリスクはインフルエンザと比較しても高いため、ワクチン接種の必要性が強調されています。
接種意向を向上させるためには
調査結果からは、接種に対する意欲が欠如しているわけではなく、特に安全性への信頼や医療者からの推奨不足、費用、制度理解などが接種をためらう要因であることが浮き彫りになりました。正確でわかりやすい情報提供とそれに基づいた助成が行動変化につながる可能性があることも示されています。
また、日本感染症学会や日本呼吸器学会、日本ワクチン学会からの新型コロナワクチンの定期接種を強く推奨する声もあり、今後の対策が求められています。
結論
日本における新型コロナワクチン接種意向の低下は、多様な要因が絡み合っていることが示されました。今後は、安全性の確保や医療者からの信頼向上が重要であり、経済的な負担を軽減する施策も必要です。これらの要素が組み合わさることで、接種率の向上が期待されるでしょう。