博報堂が「Deeptech Ventures Pilot」プログラムを開発し新たなベンチャーを支援

博報堂が挑むディープテックとスタートアップ育成の新プログラム

近年、特に世界から注目を集めるディープテック領域。日本はその中でも優れた科学技術の知見を有する学生や研究者が多く存在しています。しかし、彼らの持つ先進技術がビジネスに結びつくケースは依然として少なく、課題解決に向けたエコシステムの整備が必要とされています。

そんな中、株式会社博報堂が新たに開発したプログラム「Deeptech Ventures Pilot」は、研究シーズを基にしたベンチャー創出を目指しています。このプログラムは、博報堂の研究機関である「UNIVERSITY of CREATIVITY」や、同グループの株式会社quantumと共に展開されており、学生や研究者はもちろん、企業や行政、ユーザーコミュニティまでも含めたマルチレイヤーの構造で課題を解決することを目的としています。

プログラムの概要

「Deeptech Ventures Pilot」は、アカデミアの科学技術を出発点とし、生活者視点のビジョンを取り入れたビジネスモデルの設計が行われます。このプログラムの核となるのは、国が掲げる政策、科学技術、ビジネスの三要素を融合した総合的なアプローチです。具体的には、マルチレイヤーの課題設定やシステムマップの作成を初期段階として、参加者は身体的探索リサーチなどを通じて、自らの世界観を広げていきます。

また、異分野間でのダイアログを促進し、社会インパクトをもたらす創造性の獲得を目指します。特に、ディープテックの実践者や、科技を扱うクリエイターによる創造的知識を統合し、未来洞察ワークショップなどを通じて、学生たちの知見と思考力を拡張していきます。これにより、ディープテックを活用した新たなビジネスモデルの開発が加速されるのです。

第二のステージへ向けて

このプログラムは2024年9月から、東京科学大学のスタートアップ・スタジオ「Tokyo Tech Startup Studio」において初めて提供されます。ここでは、起業を目指す修士・博士課程の学生がプログラムに参加し、専門家との対話を重ねながら、独自の事業を構想していく予定です。

博報堂グループは、生活者発想を起点に、大学や企業との連携をさらに強化し、社会に新たな価値を提案し続けます。今後の展開が非常に楽しみです。日本の深い科学技術の知見と、生活者の視点が交わることで、どのようなビジョンが実現されるのか、多くの方々が期待を寄せています。