2025年大阪・関西万博に向けたオーストラリア州の戦略
2025年に開催される大阪・関西万博は、世界の注目が集まるイベントです。この中で、オーストラリアのニューサウスウェールズ州(NSW)は、同州の貿易と投資に関する新たな戦略を展開し、日本との関係強化に取り組んでいます。
NSW州の新たな貿易投資戦略
最近、アナラック・チャンシヴォンNSW州産業・貿易大臣は、州政府が発表した「2035年に向けた貿易投資戦略」について講演を行いました。この戦略は具体的な目標を掲げた10年間の計画であり、NSW州の経済成長を支えるための重要な取り組みです。
主な目標
この戦略の主な目標は以下の通りです:
1.
輸出総額の増加:2023-24年度と比べて、NSW州の輸出総額を1000億ドル増やし、2450億ドルにします。
2.
輸出市場の多様化:市場の多様化を図り、リスクを分散します。
3.
輸出品目の多様化:NSW州の輸出品の種類を増やすことで、新しいビジネスチャンスを切り拓きます。
4.
企業支援:10年間で10,000社の企業の業務拡大と新たな輸出市場開拓を後押しします。
5.
雇用創出:投資誘致によって、常勤換算で30,000人の直接的な雇用を生み出します。
6.
投資インセンティブ:250億ドルの投資を誘致し、そのうち175億ドルを産業政策に活用します。
このように、NSW州は日本に対する期待を大きく寄せています。日本は30年以上にわたる同州の最大の物品輸出市場であり、オーストラリアへの外国直接投資でも重要な存在です。当局はこの豊かな経済関係を今後も活かし、さらなる連携を目指しています。
日本との協力の可能性
日本の企業にとって、NSW州は多様なビジネスチャンスを提供します。例えば、シドニー西部に建設中の新都市ブラッドフィールドでは、航空宇宙、防衛、教育、観光など、さまざまな分野で投資が期待され、これに日本からの技術や知見が活用される可能性が高まっています。特に、MMC(Modern Methods of Construction)と呼ばれる先進的な建築手法を通じて、住宅供給の向上が図られるでしょう。
さらに、NSW州はネットゼロへの移行にも力を入れており、日本と共にクリーンエネルギーの活用に努めています。将来的には、NSW州が水素などの再生可能燃料を供給することが、日本の脱炭素の目標達成に貢献するかもしれません。
応じて、チャンシヴォン大臣は以下のように述べています。「NSW州はオーストラリアで最も貿易と投資が盛んな州であり、2035年に向けた戦略を通じてその影響力をさらに高めていきたいと考えています。特に、日本との協力が重要なカギとなります。クリーンエネルギー分野や革新的な建築技術において、多くの機会が存在しています。」
未来に向けた期待
このように、NSW州は2035年に向けての戦略を強化し、日本との関係を深めることで、より良い未来を目指しています。両国の連携が、新たな経済的な発展を促進し、国際的な舞台での競争力を高めることでしょう。大阪万博は、その一歩となることが期待されています。