介護革新への道
2019-04-23 12:00:46

介護現場を革新するaba、排泄センシング技術で306億円の資金を調達

介護現場の切実な課題とabaの新たな挑戦



介護の現場において、排泄ケアは常に難題として浮かび上がります。特に、オムツ交換などのケアを適切なタイミングで行うことができないケースが多く、介護者はその対応に苦しんでいます。無駄な確認作業や予期せぬ事故により、介護者は自らを責め、モチベーションが低下してしまうことが多いのが実情です。実際、介護職を離れる人の70%以上が、3年以内にその職を辞めています。

また、高齢者にとっての排泄ケアも極めて重要です。不必要なオムツの開閉や漏れが発生すると、尊厳を損なうことにもつながり、QOL(生活の質)の低下を招きます。このような背景から、介護業界は痛切なニーズに応える新しい技術を求めています。

介護を変える排泄センシング技術



そこで登場するのが、株式会社abaが開発した排泄センシングデバイス「Helppad」です。この製品は、便や尿の状態を無痛で検知・記録することができるもので、介護者や要介護者の肉体的、精神的な負担を軽減することを目指しています。

「Helppad」は、においセンサを用いており、今までの技術と一線を画しています。大手ベッドメーカーであるパラマウントベッドと協力し、医療現場で求められる形状に仕上げられました。すでに販売を開始しており、多くの介護施設で導入が進んでいます。

この技術により、介護職は要介護者の排泄状態を事前に把握できるため、効率的にケアを行うことが可能になります。つまり、無駄な時間を減らし、より人間味あふれるケアに集中できるようになるのです。

資金調達を通じた更なる発展



最近、abaはリアルテックファンドやMistletoeなどから、総額約3.3億円の資金を調達しました。この資金は「Helppad」の販売促進や、ベッド以外の場面でも排泄検知を可能にする新製品の開発に使用される予定です。

代表取締役の宇井吉美氏は、介護現場の「人間らしい仕事」に集中できる環境を作り出すため、テクノロジーの力を信じ、自らの経験をもとにプロダクトを開発しています。宇井氏は、若い頃から介護の現場を目の当たりにし、そこから得た教訓を元に、介護者の負担を軽減することを信念として掲げています。

投資家からの期待



この発展に対し、投資家たちからも強い期待が寄せられています。リアルテックファンドの代表である永田暁彦氏は、abaが掲げるビジョンと、その具体性に感銘を受けており、Mistletoeの孫泰蔵氏も、Helppadの設計思想に深く共感していると語っています。彼らは、この技術が日本及び世界の介護業界に革命をもたらすと強く信じています。

未来への展望



介護業界はますます多様化するニーズと挑戦に直面しています。abaは自社の強みを活かし、この現場での負担を軽減し、要介護者が自らの尊厳を保ちながら生活できるような未来を築いていくことを目指しています。今後も新たな技術を投入し、より良い介護環境を実現するための努力を惜しむことはないでしょう。私たちは、abaの今後の発展に期待を寄せていきたいと思います。

会社情報

会社名
株式会社aba
住所
千葉県八千代市大和田新田1054-200
電話番号
047-409-2105

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