MobiSaviが資金調達を発表
EVデータ活用事業を運営する
株式会社MobiSaviは、複数企業と
資金調達契約を締結しました。今後、EVのバッテリー性能予測シミュレーションを活用し、持続可能なEV市場の構築に貢献する予定です。
MobiSaviは以前、株式会社ディー・エヌ・エーのプロジェクトとして始まり、2023年からオートリース業界向けにEV転換シミュレータを提供し始めます。この取り組みが評価された結果、2025年に事業がスピンオフされ、より機動的かつ成長を目指します。
今回の資金調達により、MobiSaviは各出資先企業との連携を深め、
リユースEVのバッテリー性能保証や残価保証制度の構築を目指します。これによって、
持続可能なEV市場の発展をさらに推進していきます。
EVサーキュラーエコノミーの重要性
電気自動車(EV)の資源循環、いわゆる
EVサーキュラーエコノミーは、希少資源の有効利用や環境負荷の減少に寄与し、持続可能なバッテリー産業を築くための重要な課題とされています。理想的な資源循環は、新車利用から中古車利用、バッテリー再利用、最終的なリサイクルの4つの段階で成り立っていますが、現状は新車の販売が伸び悩んでおり、リユースEV市場も活動が停滞しています。
主な理由として、購入時におけるバッテリー性能の評価が難しいこと、そしてバッテリー性能保証制度が整っていないことが挙げられます。実際、国内のリユースEVの約80%が海外に流出しているのです。この状況の改善が、EV市場全体の活性化には不可欠です。
MobiSaviの独自技術
MobiSaviは、これらの課題に直面しつつも、独自の
バッテリー性能予測シミュレーション手法を開発しました。この手法を用いることで、特定のEVバッテリーの仕様や使用環境から、バッテリー性能の変動を予測することが可能になります。これにより、長期間にわたり正確なバッテリー性能を保証し、リユースEV市場における流動性を向上させる狙いです。
さらに、MobiSaviはEVの販売契約条件を基に、
残価保証を検討できる新たな方法も模索しています。バッテリー性能に応じた適正な残価を設定し、新車やリユースEVの購入者に対する負担を軽減することで、EV販売の促進にも寄与するでしょう。
MobiSaviの未来への展望
MobiSaviは、今後も
自動車ディーラーやオートリース会社、さらには損害保険業界と連携し、リユースEVのバッテリー性能保証や残価保証の仕組みの構築を進めていきます。その中で、EVサーキュラーエコノミーの実現を目指し、持続可能な社会の実現に向けた一助となることを目指しています。
最後にMobiSaviは、自社のEV導入支援ツール「
FACTEV」により、既存車両のデータを活用し、顧客に最適なEVを提案しています。この技術は、計測機器を必要とせず、さまざまなブランドに対応しているため、広範なデータ収集が可能です。今後もEV市場の拡大に向け、様々な提案を行っていくことが期待されます。