日本の47都道府県に対する中国の検索トレンドの分析
アウンコンサルティング株式会社が今年の中国における日本の各都道府県に関する年間検索トレンドの調査結果を発表しました。この調査により、日本の都道府県への興味や訪問意向が顕著に見て取れ、特に2024年の訪日旅行者数は約698万人に達する見込みです。これは、コロナウイルスの影響を受けた後の回復が進んでいることを示しています。
2023年8月に中国で団体旅行が再開される一方で、東京電力福島第一原発の処理水問題や経済の減速が影響し、訪日旅行者数の回復は緩やかでした。しかし、地方路線の増便などが進む中で、引き続き旅行者数は増加し続けています。特に、注目すべきは検索トレンドです。
調査結果から、中国における「日本の都道府県」の検索数が明らかになりました。最も検索されたのは東京都で、続いて大阪、京都が名を連ねました。ここに続くのが北海道、奈良、沖縄、福岡といった人気の観光地です。これらの傾向は、アウンコンサルティングがこれまで発表した米国、香港、オーストラリアにおける調査と類似しています。
特筆すべきは、和歌山県の検索数です。山東省との友好県省関係を背景に、中国との交流が深化しています。特に白浜町は「パンダのまち」として知られ、白浜アドベンチャーワールドでのパンダ育成の成果が注目されています。長年にわたり観光客を魅了しており、特にオスのパンダ「永明」はその繁殖実績で名を馳せました。2023年に中国に返還されましたが、今でも新しいオスのパンダとの関係強化に向けた交渉が続いています。このパンダとの繋がりが、和歌山県のインバウンド人気を高める要因となっていると考えられます。
同じく注目されるのは熊本県です。東アジアの旅行者が多いことから検索数が高まり、特に韓国、台湾、香港、中国からの旅行者が多く、全体の7割以上を占めています。熊本のPRキャラクター「くまモン」人気も相まって、魅力的な観光地としての評価が高まっています。自然景観と組み合わせ、観光客誘致の効果が期待されています。
青森県もまた独自の立ち位置を確立しています。中国のインフルエンサーが青森の魅力を発信し始めたことが、県への関心を大いに高めました。青森県観光局の公式SNSアカウントのフォロワー数が130万人を超えるなど、他の都道府県と比較しても高い人気を誇ります。特に冬の美しい雪景色と、伝統的な祭りが観光名所としての強みとなり、多くの観光客を誘引しています。
富山県は、注目の観光地としても選ばれています。著名なニューヨーク・タイムズの旅行特集に名を連ね、文化や美食の魅力が再評価されています。地元の復興支援の一環として観光客の訪問が期待されており、自然と文化が融合した体験が魅力とされています。
調査概要
この調査は、2024年1月から12月までのデータを基に行われ、中国における日本の都道府県の検索傾向を細かく分析しています。全体的に、インバウンド需要が盛り上がりを見せる中、日本の各地域がどのように海外からの訪問者に影響を与えているかを理解する上で、重要な指標となっていることが伺えます。また、調査の詳細はアウンコンサルティングの公式ウェブサイトで確認可能です。