新たな挑戦:埼玉県の建設業界
埼玉県において、建設業の効率化を目指すBIM(Building Information Modeling)およびCIM(Construction Information Modeling)が注目されています。これは、国土交通省が推進する多様な取り組みの一環であり、将来的に建設業界全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するための重要なステップとなるでしょう。
背景
2019年に設立された国土交通省の建築BIM推進会議は、2020年に「BIMの標準ワークフロー」を策定しました。この動きは、少子高齢化に伴う建設技能者の人口減少や新型コロナウイルス感染症の影響を受け、建設業界の生産性向上と働き方改革が急務であることを反映しています。国は、2023年までに公共事業へのBIM/CIMの原則化を予定しており、業界全体が協力してこの取り組みに挑む必要があります。
埼玉県の建設会社の動き
このような背景を受けて、埼玉県内の5社、具体的には岩堀建設工業、伊田テクノス、平岩建設、中原建設、そしてペーパレススタジオ(PLS)が、BIM/CIMパートナー契約を結びました。この連携により、建設プロセスの生産性を向上させると同時に、新しい働き方も模索していく計画です。各社がBIM/CIMを利用して独自の強みを活かし、中小建設会社のネットワークを広げ、協力体制を強化していくことが期待されています。
BIM/CIMパートナープログラムの概要
PLSは、まずは埼玉県の中小建設会社に向けてBIM/CIMの活用を支援することを目的としています。この「中小建設会社向けBIM/CIM全国ネットワーク」を構築することで、建設業界のDXを推進し、全国の中小建設会社が共通のルールのもとで協力し合える環境を整えることを目指しています。また、BIM/CIMに関する最新情報を共有する「BIM/CIMパートナープログラム」も展開され、今後はオンラインスクールの開設も計画されています。
今後の展望
BIM/CIMの導入は中小建設会社にとって容易ではありませんが、今回の取り組みを通じて共通の基盤を持つことで、業界全体の生産効率の向上が見込まれています。埼玉県の4社の連携は今後のモデルケースとなる可能性が高く、日本の建設業界に新たな風をもたらすことが期待されています。皆さんもぜひ、この動きに注目してみてください。
埼玉の建設会社が手を組むことで、業界全体の未来をより明るいものにしていくことが求められています。受け身ではなく、主体的にデジタルトランスフォーメーションを進めていく姿勢が、新たな勝機を切り開くでしょう。