伝統芸能「石見神楽」がメタバースに！大阪・関西万博で体験可能に

伝統芸能「石見神楽」がメタバースに！

島根県江津市の伝統芸能「石見神楽」をテーマにしたメタバースプロジェクトが、2025年5月28日（水）から大阪・関西万博にて公開されます。このプロジェクトは、株式会社Vによって制作され、大丸松坂屋百貨店が制作幹事を務めます。今回は、石見神楽の魅力をデジタル空間で感じることができる新しいコンテンツをご紹介します。

石見神楽メタバースプロジェクトの概要

このプロジェクトでは、島根県の伝統芸能である石見神楽に基づいた3DワールドがVRChat上で展開される予定です。これにより、ユーザーは「神話の世界」を没入感のある形で体験できます。また、江津市ブースでは体験展示も行われ、実際に現地を訪れた人々にも石見神楽の魅力をダイレクトに伝えるチャンスが広がります。

石見神楽の精神を再現

石見神楽は、地元に根ざした深い文化を有し、神話の物語が語られる演目が多いことで知られています。今回のメタバース化プロジェクトでは、特に「大蛇」という演目がクローズアップされます。須佐之男命と八岐大蛇が対峙する場面を再現し、ユーザーは自由にステージ上に上がってさまざまな視点からこの壮大な演目を楽しむことができます。

3D衣装の制作

また、プロジェクトでは「鐘馗」や「疫神」の演目で使用される衣装も3Dアバター用にデジタル化され、誰でも気軽に着用可能となります。この衣装はBOOTHで無償配布される予定で、伝統衣装を身近に楽しむことができる貴重な機会です。

制作のこだわりと背景

このプロジェクトは、大丸松坂屋百貨店が手がけたメタバース着物の成功を受け、江津市の担当者からの高い評価を得て誕生しました。実は江津市は「東京から最も遠いまち」と称されており、そんな地域がメタバースという新しい手法を活用することで伝統芸能の新たな伝播を図る事例として注目されています。

制作には、地元の「石見神楽波子社中」の協力が不可欠でした。実際に江津市を訪れ、神楽の舞をVR機材で記録するという難易度の高い取り組みが行われました。撮影には地元職員や関係者も参加し、深夜までの努力の末、文化財としての神楽舞を忠実に再現することに成功しました。

データ化の際にはアニメーションを手作業で補正し、衣装モデルの制作では実物が手作りであることを重視して、質感まで丁寧に作り込まれています。

地方創生SDGsフェスへの出展

本プロジェクトは2025年5月28日（水）〜6月1日（日）に開催される「大阪・関西万博地方創生SDGsフェス」への出展も決まっています。江津市のブースではメタバース体験だけでなく、実際の石見神楽衣装の展示も行われ、来場者はリアルとバーチャルの両方から文化を味わうことができます。これは、地域の伝統を広める素晴らしい機会です。