コスト効率を追求した新しいSTM32MP21マイクロプロセッサの登場
STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM)は、スマート工場やスマートシティ向けのエッジアプリケーションに特化した新たなマイクロプロセッサ「STM32MP21」を発表しました。この製品は、コストとエネルギー効率を重視した設計が特徴で、IoTやモビリティ分野におけるニーズに応えるものとなっています。
STM32MP21のスペックと技術
STM32MP21は、64ビットArm Cortex-A35コアを搭載し、動作周波数は1.5GHzに達します。また、32ビットCortex-M33コアも内蔵しており、その動作周波数は300MHzです。この二種類のコアにより、高速な処理を実現し、リアルタイム制御に優れています。
特にCortex-M33コアからのブート機能は、システムの迅速な起動を可能にし、電力を節約するための省電力モードからの素早い復旧を達成します。また、強固なセキュリティアーキテクチャを取り入れており、SESIPレベル3やPCI事前認証に対応。セキュリティが重要視される業界でも安心して利用できるよう配慮されています。
産業界での用途
STのグループバイスプレジデント、パトリック・アイドゥーン氏は、次のように述べています。「IoT機器やインフラ用機器の需要が高まる中、持続可能な開発を実現するためにはスマートテクノロジーが重要です。今回のSTM32MP21は、電力やコストの課題を乗り越えるために必要な機能を備えています。」
新しいMPUは、すでにJVCケンウッドなどの主要顧客にサンプル提供されています。JVCケンウッドは、モビリティ、セーフティ、エンタメの分野で行動課題に対応する製品を展開しており、STM32MP21がそのニーズにマッチすると確認しています。特に、柔軟なコア構成と低消費電力を実現する機能は魅力的に映るようです。
マシンビジョンへの活用
STM32MP21は、MIPI CSI-2および画像信号処理(ISP)パイプラインを搭載しており、産業向けの外観検査機械やバーコードリーダーなどのマシンビジョンアプリケーションに最適です。また、TSNインタフェースを持つ2つのギガビットイーサネットポートは、特にファクトリーオートメーションやロボティクスにおいて、低遅延かつ高信頼な通信を可能にします。
セキュリティへの配慮
STのMPUは、EUのサイバーレジリエンス法といった、今後の強化が進む法規制への対応も視野に入れています。サイバーセキュリティの重要性が増す今日、STM32MP21はその期待に応える設計となっています。
エコシステムと開発支援
システム開発者は、STM32MP21のアプリケーション構築のために、豊富なソフトウェアとツールが揃ったSTM32開発エコシステムを活用できます。具体的には、OpenSTLinuxや各種開発ツール、評価ボードなどが含まれており、開発の効率化を促進することが可能です。
新開発の電源制御IC「STPMIC2L」は、STM32MP21及びDRAMの電源供給を行い、システム設計を一層簡素化します。特に高密度配線基板向けの複数のパッケージオプションが提供され、コストを重視した設計にも柔軟に対応しています。
今後の展望
STM32MP21の参考価格は、パッケージタイプや機能により異なりますが、大口購入時には約5.70~8.50ドルで提供されます。これにより、コスト効率が求められる産業界にとって魅力的な選択肢となるでしょう。STマイクロエレクトロニクスは、持続可能な社会へ向けた半導体ソリューションの提供を進めており、STM32MP21はその一助となる製品として期待されています。
企業情報
STマイクロエレクトロニクスは、50,000人以上の従業員を擁し、先端の製造設備を持つ半導体メーカーとして特化した事業展開を行っており、持続可能な社会に寄与すべく、新しい技術開発に邁進しています。詳しい情報は公式ウェブサイト(
http://www.st.com)をご覧ください。