近畿大学が生んだ新たな昆虫食、カメムシふりかけ「カメロウ」
近畿大学の出身ベンチャー企業・株式会社POIは、世界的著名ベーシストで昆虫食開発者の今沢カゲロウ氏と共同で、カメムシを活用したユニークな食品、【カメムシふりかけ】の開発に乗り出しました。この新商品は、2025年6月12日に発売される予定で、食卓に新たな風をもたらすことが期待されています。
開発のきっかけと背景
昆虫は、2013年の国連の報告書で注目を浴び、最近ではSDGsの普及に伴い、利用が広がってきました。しかしながら、コオロギなど特定の昆虫食に偏った認識が広まり、カメムシといった他の昆虫の可能性が見落とされていました。近年では、多くの昆虫食関連企業が過度な投資で経営危機に陥る一方で、POIは新たな視点を持ち込みます。
今沢氏からの「カメムシに興味がある」という連絡を受け、同社はカメムシを食材にした新たな可能性を探求し始めました。カメムシは、その特徴的な臭いから農家には嫌われる存在ですが、独特の香りを持つことでも知られており、特定の種はパクチーのような香りを持つとも言われています。この新しい視点から、POIはカメムシをふりかけとして提供し、その魅力を広めようという試みなのです。
カメロウの特徴と活用方法
「カメロウ」という名のこのふりかけは、カメムシの風味を生かし、東南アジアのエスニック料理をイメージした味わいに仕上げています。ごはんにかけるだけでなく、サラダや肉料理、さらにはスープに溶かすなど、幅広く利用できるアイデアを提案しています。
地域との連携と製造計画
カメムシの調達に関して、株式会社POIは、これまでのつながりを活かして、兵庫県佐用町や茨城県日立市などの自治体との協力を進める予定です。これにより、地域住民が抱えるカメムシ問題にも注目し、双方にとっての利益となるような取り組みを進めていく意向です。
今沢カゲロウ氏のアートが彩るパッケージ
パッケージデザインには、今沢氏が描くカメムシのアートが使用されており、アフリカ・ルワンダの伝統工芸「イミゴンゴ」の模様を背景にしています。このアートは商品の魅力を引き立てるだけでなく、今沢氏が手がけた考えを連想させる重要な要素となっています。
先行予約と特典
カメロウは、発売に先駆けて先行予約を受け付けており、特典としてカメムシの羽音と今沢氏による特別音源が付いてきます。価格は800円(送料別)で、3パック以上の注文で送料無料となります。この特典音源は、6月12日の発売日には特典として明らかにされる予定です。
記者の視点
清水和輝社長は、昆虫食が日本でメジャーになるには様々な挑戦が必要であると語ります。その中で、「カメロウ」が新しいキッチンの仲間となることで、未来の食文化の一翼を担うことを期待しています。コオロギとは異なるアプローチから美味しさを追求し、メッセージ性を持たせた商品作りを行うことで、革新的未来を切り開いていく意気込みが感じられます。
今沢氏は、自分の芸術活動を通じて昆虫食の新たな可能性を伝え、同時に社会問題にも一石を投じています。このアプローチは、ただの食品開発を超えたものであり、地球規模の未来を考える素晴らしい使命感を持っていると感じます。
これからの「カメロウ」の展開に目が離せません!