DeepL、欧州最大規模のAIスーパーコンピューター導入で翻訳精度向上へ
DeepL、欧州最大規模のAIスーパーコンピューター導入で翻訳精度向上へ
ドイツのAIコミュニケーション企業DeepLが、ヨーロッパ最大規模となるNVIDIA DGX H100 SuperPODを導入したと発表しました。このスーパーコンピューターは、DeepLのAI翻訳技術のさらなる向上と、コミュニケーションツールのサービス強化に大きく貢献する予定です。
世界トップクラスの処理能力
68台のNVIDIA DGX H100システムから構成されるこのSuperPODは、スウェーデンの再生可能エネルギーで稼働するグリーンデータセンターに設置されます。LINPACKベンチマークテストでは21.85 PFlop/sという驚異的な演算性能を記録し、世界第26位、ヨーロッパ第8位に相当する処理能力を誇ります。この性能は、DeepLが提供する高品質な翻訳サービスの根幹をなす、大規模言語モデル(LLM)のトレーニングを劇的に高速化します。
超高速なデータ通信
各DGXシステムには、8基のNVIDIA H100 Tensor Core GPUが搭載されており、NVIDIA NVLinkとNVIDIA Quantum-2 InfiniBandによって、GPU間の超高速なデータ通信を実現しています。これにより、大規模モデルのトレーニングや複数の並行トレーニングを効率的に実行することが可能となり、開発スピードの大幅な向上に繋がります。
DeepL CEOのコメント
DeepLのCEOであるヤロスワフ・クテロフスキー氏は、「設立以来、研究開発に注力し、最先端のニューラルネットワークを開発することで高品質な翻訳を提供してきました。強力なコンピューティングパワーは、大規模モデルのトレーニングに不可欠です。このNVIDIA DGX SuperPODは、そのスピードによって大規模な翻訳モデルの開発を可能にし、既存の機能改善や新たな機能開発に繋がると期待しています。」とコメントしています。
さらなるサービス強化へ
DeepLは、2017年の創業以来、高度なニューラルネットワーク技術に基づくAI翻訳ツールを提供し、世界中の企業のコミュニケーション方法に革新をもたらしてきました。日本語にも対応しており、その精度の高さから高い評価を得ています。今回のSuperPOD導入により、翻訳精度の更なる向上、そして新たな機能の追加が期待され、企業や個人のコミュニケーションをよりスムーズにする革新的なサービスの提供を目指しています。
NVIDIAからのコメント
NVIDIA DGXシステム分野のバイスプレジデントであるチャーリー・ボイル氏は、「企業は、LLMや生成系AIのワークロードを効率的かつ大規模に推進するために、最適化された強力なインフラを必要としています。NVIDIA DGX SuperPODは、DeepLが最新のAIアプリケーションの構築やトレーニングの実行において必要とするコンピューティング性能、ネットワーク技術、そしてソフトウェアを提供します。」と述べています。
DeepLの将来展望
DeepLは、世界的に著名な投資家からの資金調達を受け、AI技術の研究開発に継続的に投資し続けています。今回のSuperPOD導入は、その取り組みの一環であり、DeepLがAI翻訳分野におけるリーディングカンパニーとしての地位をさらに強固なものにすることを示しています。今後、DeepLがどのような革新的なサービスを提供してくれるのか、非常に期待されます。
会社情報
- 会社名
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DeepL
- 住所
- Maarweg 165, 50825 Cologne, Germany
- 電話番号
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