画期的なナノファイバーCraze-tex®
岐阜県岐阜市に本社を構えるFiberCraze株式会社は、機能性テキスタイルの新たな可能性を追求しています。同社が開発したナノ多孔ファイバーCraze-tex®は、シルクセリシン(セリシン)をその内部に取り込み、着用時の汗によって皮膚への有効成分のデリバリーを実現する革新的な技術です。
共同研究と実証
この技術は、明星大学や株式会社クリメイト、新潟県工業技術総合研究所との共同研究の成果として生まれました。2025年11月15日には「第89回日本皮膚科学会東京支部学術大会」で発表され、その科学的根拠が示されました。注目すべきなのは、Craze-tex®が如何にして汗をトリガーとしてセリシンを放出し、皮膚上に残留させるかという点です。このプロセスは従来の技術に比べ、初期バースト放出や洗濯耐久性の課題を克服しているとされています。
セリシンの放出メカニズム
Craze-tex®は、直径ナノ~サブミクロンの無数の孔が開いた構造を持ち、汗液の浸透を利用して有効成分を貯蔵し、ゆっくりと放出します。皮膚に貼付した際、セリシンの特有な赤外吸収バンドが検出され、96.7%の皮膚残留性比率が確認されました。このデータは、実際にセリシンが皮膚に移行し、その効果が持続することを科学的に証明するものです。
皮膚への影響
試験では、皮膚温度、pH、そして角層水分の変化がモニタリングされ、特に大きな変化は見られませんでした。これは、セリシンが皮膚に与える影響が穏やかであることを示唆しています。さらに、Craze-tex®の設計においては、繊維の孔の構造や後処理によって放出プロファイルを調整できる自由度も確保されています。
今後の展望
FiberCrazeはCraze-tex®を更に発展させるために、イブニング用、デイリー用、スポーツ用の三つの機能的アプローチを考慮しています。他にも、セラミドやアミノ酸、ヒアルロン酸誘導体など、さまざまな成分を組み込んだ製品の展開が期待されています。これにより、肌に優しい機能性素材として、健康や美容の面でも貢献できる可能性を持っています。
まとめ
FiberCrazeのナノ多孔ファイバーCraze-tex®は、ただのテキスタイルにとどまらず、ファッションの枠を超えた多様な分野での応用が期待されており、将来的にはさまざまな衣類との関連性がさらに強化されることでしょう。最新の研究成果により、機能性素材としての価値が証明される中、FiberCrazeの動向には今後も注目が集まります。
会社情報
FiberCraze株式会社
所在地:岐阜県岐阜市柳戸1-1
設立:2021年9月
代表者:長曽我部 竣也
HP:
FiberCraze公式サイト
本件に関するお問合せ先:事業開発本部、E-mail:
[email protected]、TEL:058-293-3357。