SOMPOケアとNSDCIの協業による新たな教育の展開
SOMPOケア株式会社が日本とインドの介護業界間の橋渡しをするべく、インドの政府系機関であるNSDCIと協力関係を結び、インドでの教育研修施設を2024年8月1日に開設することを発表しました。この取り組みは、インド人介護人材向けの教育プログラムを充実させ、日本における人材の受け入れを推進することを目指しています。
日本とインドの背景
インドは、14億人という世界最大の人口を擁していますが、急速に増加する人口に対して十分な雇用機会が創出されていない現状があります。そこで、NSDCIはインド政府の「スキル・インディア」という人材育成政策に基づき、質の高い人材を育て、海外での就労機会を提供するための取り組みを行っています。
一方で、日本では少子高齢化が進行しており、生産年齢人口の減少により介護人材の需要が急増しています。このため、SOMPOケアでは介護の職業を専門職として位置付け、介護技術の向上と人材定着のための教育を強化することに注力しています。また、2023年からは韓国でも同様の教育プログラムを開始するなど、海外展開にも励んでいます。
教育プログラムの概要
今回の協業では、現地の講師による基礎日本語教育と、SOMPOケアが日本で蓄積したノウハウを基にしたオリジナルの教育プログラムが提供されます。このプログラムでは、「日本式介護についての理解」、「実践的な介護用語の習得」、「異文化コミュニケーション」などをテーマとし、オンライン研修やeラーニング、実際の介護技術研修を行います。
さらに、インドのグレーター・ノイダに新設する研修室では、SOMPOケアユニバーシティをモデルにした環境が再現され、実際に日本で使用されている福祉用具を用いた指導が行われます。このアプローチによって、インド人介護人材が日本の介護文化や技術にスムーズに適応できるよう、しっかりと教育を施すことが可能となります。
現地での取り組みと今後の展望
協業のスタートとして、インド人材は約9か月にわたり日本語と介護に関する教育を受けた後、特定技能生として日本の介護施設に配属される予定です。高い意欲を持ち、即戦力となる人材を育成し、実際に日本の介護現場で働きながらさらなるスキルアップを図る施策が進められます。将来的には、こうしたインド人材が日本での経験を活かし、母国の介護業界に貢献することも期待されています。
また、教育プログラムは、参加者の職場環境への適応力や技能習得度、キャリア意識などに基づいてその効果を検証し、常に改善を図っていく方針です。
日本とインドの架け橋に
この協業を通じて、SOMPOケアは日本式介護を学んだ質の高い人材を持続的に採用し育成する仕組みを築き上げることを目指しています。介護人材の需給ギャップ問題を解消するため、これからも多様な取り組みを進め、日本の未来に向けた社会的課題解決に寄与していく考えです。さらに、インドとの協力によって、両国の社会的ニーズを満たす新しい介護の枠組みを築いていくことでしょう。