UbieとMedable、戦略的パートナーシップを締結
医療技術を活用し、適切な医療への道を人々に示すことを目指すUbie株式会社(東京都中央区)と、臨床試験をデジタル化する米国のMedable Inc.(カリフォルニア州パロアルト)が、新たな戦略的パートナーシップを締結しました。この連携は、技術とデータを活用して、日本における治験の課題に立ち向かうことを目的としています。
臨床試験の現在とその限界
近年、臨床試験のデジタル化、いわゆる分散型臨床試験(DCT)が急速に進む一方で、患者が治験に参加する機会は未だに限られています。地域によって医療へのアクセスが異なり、治験参加に対する理解が不足しているため、患者の選択肢が狭められてしまうのです。このような状況は、新薬開発の過程でボトルネックとなり、開発にかかる時間を長引かせ、コストを増加させる要因ともなっています。これが新しい治療法の普及を遅らせているのです。
Medableの進化したプラットフォーム
Medableは、世界中で400以上の臨床試験をサポートし、125以上の言語に対応している企業です。その最先端のDCTプラットフォームは、治験の効率性を確保しながら、患者への負担を軽減することに成功しています。一方、Ubieは、日本国内で月間1300万人以上に利用されるAIパートナー『ユビー』などを通じて、生活者と医療機関を結ぶ最大級のプラットフォームを提供しています。
このパートナーシップは、MedableのDCTプラットフォームとUbieの患者リーチを組み合わせ、日本の治験における新たなモデルを構築することを目指しています。
具体的な取り組み内容
具体的には、以下の点において両社が協力していきます:
- - 日本における分散型臨床試験(DCT)の推進
- - AIパートナー『ユビー』を活用した治験候補者の参加促進の最適化
- - 全体的な治験プロセスのデジタル化による患者体験(UX)の向上
これらの取り組みにより、すべての患者が治験に参加できる環境を整え、『患者を中心に据えた治験体験』の実現を目指します。これによって医薬品開発プロセス全体の進化に寄与するでしょう。
代表者のコメント
MedableのCEO、Michelle Longmire氏は、このパートナーシップがMedableのミッションを日本市場に拡大する大きな一歩であると述べています。Ubieの信頼性のある患者リーチと、MedableのAIプラットフォームを融合させることで、世界中の患者が最高の技術にアクセスできることを期待しています。
Ubieの共同代表取締役、阿部吉倫医師も「テクノロジーを活用した適切な医療へのマッチングを追求してきたUbieにとって、医薬品開発の領域で新たな一歩を踏み出す機会となる」とコメントしました。
まとめ
UbieとMedableが手を組むことにより、治験の参加機会を広げ、医薬品開発の効率を向上させる新たなモデルが日本で実現することが期待されます。この戦略的パートナーシップは、将来的な医療の進化に大きく寄与することでしょう。