ベトナムの教育者が日本の障害者雇用支援を視察し学びを深める
2025年11月12日、株式会社スタートラインが運営する大阪・門真拠点にて、ベトナムのハノイ師範大学の教員及び大学院生による障害者雇用支援の視察が行われました。この視察は、立命館大学総合心理学部の中鹿直樹教授の協力を受けて実現したもので、ベトナムにおける障害者支援体制の新たな構築に向けた重要な一歩となりました。
視察の背景と意義
ベトナムでは精神的及び知的障害を持つ人々への支援体制が未だ発展途上にあります。この問題は社会課題として深刻であり、ハノイ師範大学は国内屈指の教員養成機関としてその解決に寄与する人材を育成しています。スタートライン社は、10年以上にわたり立命館大学と連携を持ち、特別支援教育のリーディングカンパニーとして障害者雇用モデルの展開に努めています。
このような背景の中で、スタートラインの取り組みが日本の優れた障害者支援の実例として示され、視察が具体的な形となりました。
視察内容:IBUKIとBYSN
視察の日程中、参加者はスタートラインが提供する屋内農園型障害者雇用支援サービス「IBUKI」とロースタリー型障害者雇用支援サービス「BYSN」を訪問し、実務体験を行いました。特に、ベトナムで広く行われるコーヒー栽培に関連するBYSNのモデルは、現地文化の中でも非常に親しみやすく、実際の質疑応答は熱を帯びたものでした。これにより、参加者は日本の支援技術(応用行動分析、認知行動療法など)について具体的なイメージを持つことができました。
当日は、IBUKI KADOMA FARMやBYSN HIGASHIOSAKA ROASTERYで様々な体験が実施され、運営者からの事業説明や現場見学の後にはハンドピック体験、焙煎機の見学、さらにはコーヒーの試飲が行われました。
視察の成果
視察後には、立命館大学の中鹿教授から「参加した教員と院生が非常に多くの質問を行っており、その関心の高さに驚かされました」と評されました。また、日本の制度をそのままベトナムへ適応させることは困難であるが、将来のビジョンを描く際には参考になるとの意見もありました。実技を取り入れた体験は、今後の指導に役立つ具体的な情報となるでしょう。
未来に向けて
スタートラインは今回の視察を通じて、国内のみならずアジア全体に向けて障害者支援の質を向上させ、誰もが自分らしく生きる社会の実現に向け邁進していきます。私たちの努力は、障害者の雇用支援を通じて新たな「場」を作り出し、彼らの可能性を広げることを目指します。障害者の採用と定着を支援し、具体的な解決策を常に探求する姿勢は変わりません。
スタートラインの歩み
スタートラインは、2009年の創業以来、障害者雇用支援の領域において多くの経験を積み重ねてきました。当社はABA(応用行動分析)やCBS(文脈的行動科学)、第三世代の認知行動療法を基にした専門的な支援を提供し、革新的な障害者雇用支援サービスを展開しています。この先も、私たちの理念である「自分をおもいやり、人をおもいやり、その先をおもいやる。」を胸に、さらなる発展を目指します。