木更津高専が「高専キャリアラボ」を開催
千葉県木更津市にある木更津工業高等専門学校では、2025年6月16日に「高専キャリアラボ」の第5回講演会が実施されました。このプログラムは、学生が将来のキャリアを考える上で役立つ特別授業の一環として企画され、さまざまな業種で活躍する経営者を講師として招いています。今年度の講演は、経済同友会の会員による全5回のシリーズで、今回がその第1回目。特に、国際的な視野を持つ講師を迎えることに重点が置かれています。
グローバルな視点を持つ講師
今回の講演には、経済同友会の会員であり、レノボ・ジャパン合同会社の業務執行役員である福田達男氏が登壇しました。福田氏は茨城工業高等専門学校を卒業後、三重大学大学院や松下政経塾、早稲田大学大学院を経て、日立製作所やヴイエムウェアなどの企業で豊富な経験を積んでいます。また、福田氏は国際交流のボランティア活動にも力を入れており、グローバルな観点からのキャリア形成についての実体験を学生に伝えました。
目指す未来を描くために
講演では、福田氏が外資系企業の採用プロセスや職場環境について詳しく説明し、特にジョブディスクリプション(JD)に基づいたスキルマッチングの重要性に触れました。「到達可能な目標だけでなく、高い目標を設定することが成長に繋がる」と話し、学生たちに自己投資の必要性を説きました。具体的には、読書、プログラミング、Adobeソフトの習得、TOEFLなどの語学力向上が挙げられました。さらに、厚生労働省の統計を用いて、将来の収入や生活費について「数字で考えること」の重要性を強調しました。
また、講演中にはライフチャートを作成するワークショップも行われ、学生たちにとってより実践的な学びの場となりました。最初は緊張気味だった学生たちも、福田氏の親しみやすい語り口に触れることでリラックスし、自分たちの未来に対する期待を抱くようになりました。
学校の理念と教育方針
木更津工業高等専門学校は1967年の設立以来、約58年間にわたり、8510名の本科卒業生と769名の専攻科修了生を輩出してきました。本校は幅広い教養を基本とし、国際的視野を持った創造的エンジニアの育成を目指しています。これにより、社会に貢献できる技術者を養成することを主眼とし、健康な身体と精神、そして豊かな情操を育て、自ら考え行動する力を育む教育方針を打ち立てています。
このように、木更津工業高等専門学校は実践的な技術者を育成しつつ、学生たちが将来の自分を描く手助けをするために様々な取り組みを行っています。今回の「高専キャリアラボ」もその一環として重要な役割を果たしています。