Kiriuriが描く新しい未来
新たなスタートアップ、株式会社Kiriuri(キルリ)が、第一回資金調達を完了しました。地元・大阪府摂津市で、町工場からスピンアウトしたこの企業は、デットストック問題に立ち向かっています。従来の材料流通体系の問題を解決し、資源の有効活用を図る彼らの意義と取り組みについてご紹介します。
デットストック問題の深刻さ
日本の切削加工業界は、少量多品種生産が進んでいますが、その反面、古い流通体系が原因で多くの材料が廃棄されています。実際、全体の10%近くがデッドストックとして廃棄されているとのこと。この問題は町工場の持続可能性を脅かし、資源の無駄遣いを助長しています。Kiriuriは、そうした業界の現状を見据え、解決策を提供しようとしています。
KIRIURI.COMの開設
Kiriuriの主な取り組みは、切削加工用の合成樹脂を販売するECサイト『KIRIURI.COM』の運営です。このサイトでは、従来大きなサイズでしか購入できなかった材料を、1ミリ単位で少量から購入できるようにしています。この仕組みが、デッドストックの発生を抑え、無駄のない調達を実現します。特に樹脂切売りの価格は国内最安値を誇り、豊富な品揃えが魅力的です。
また、同社は過去に大きな経済効果をもたらした町工場からのスピンアウトとしての信頼感を武器に、新たなマーケティング戦略を展開する予定です。
資金調達の背景と目的
株式会社Kiriuriは、今回の資金調達を通じて、自社のシステム開発やユーザビリティの向上を図ると共に、マーケティング戦略を加速させることを求めています。特に、同じくデットストック問題を抱える業界からの出資が大きな魅力となりました。樹脂切削加工、金属切削加工、廃プラスチックのリサイクル業など、幅広い業界から支援を受けています。
目指すは持続可能な未来
Kiriuriは、デッドストックが発生しない供給体制をターゲットとし、業界全体の意識を「切売り材=割高」から「切売り材の方がトータルコスト安い!」という考えに変えようと奮闘しています。また、同社の取り組みは、SDGsの持続可能な生産消費形態を確保する目標にも寄与しています。
代表者プロフィール
代表取締役社長兼CEOの栗本学(Manabu Kurimoto)は、大阪生まれの起業家です。家業の近接センサー製造工場での経験を活かし、2000年には精密切削加工部門を立ち上げ、成功を収めてきました。2024年2月、彼はKiriuriを設立し、新たな挑戦を進めています。
お問合せ先
Kiriuriに興味を持たれた方は、以下の連絡先で問い合わせ可能です。
Kiriuriは、地元の材料業界を一新し、持続可能な社会を築くための力強い一歩を踏み出しました。今後の展開から目が離せません。