新たなCNT面状発熱素材HEATNEXの多彩な特性と利用展望

株式会社アドバネクスは、2023年5月19日に新しいCNT面状発熱素材HEATNEX®（ヒートネクス®）の追加製品を発表しました。この新製品には、「低抵抗率仕様」と「高温耐熱仕様」の2つが含まれ、両者とも様々な産業ニーズに応える特性を持っています。

新製品の概要

HEATNEXは、炭素ナノチューブ（CNT）を電気抵抗体として使用した柔軟な発熱素材で、標準仕様の150Ω/□、耐熱温度80℃から、低抵抗率仕様の30Ω/□、耐熱温度80℃と、高温耐熱仕様の50Ω/□、耐熱温度200℃の2つに拡張されました。これにより、市場のニーズに適した広範な応用が可能になります。

全面均一発熱の利点

HEATNEXは、高導電性と熱伝導性を誇るCNTを用い、安定した分散技術で塗布素材として加工されます。このため、金属素材を用いた従来の発熱素材と比較して、より均一な全面発熱が実現されます。また、ヒーターの迅速な熱反応が可能であり、瞬時に熱を発生させたり放散させたりできます。印刷プロセスで電極を形成することができるため、ヒーターの製作も容易という特徴があります。

低抵抗率仕様の革新

新登場の低抵抗率仕様は、表面抵抗率が150Ω/□から30Ω/□になり、同じ電圧をかけた場合により大きな面積での発熱が可能になります。この特性は自動車市場やモバイルデバイス市場など、さまざまな用途での活用が期待されます。特に、より効率的な発熱機能は、その市場のニーズに応じた技術的な更なる進化を遂げることができる位置にいます。

高温耐熱仕様の適応性

高温耐熱仕様は、耐熱性が高いポリイミド（PI）フィルムを使用することで耐熱温度200℃を実現しました。この高い耐熱性によって、これまで対応が難しかった産業機器や理化学機器などの分野にも魅力的な選択肢を提供します。これにより、HEATNEXは様々な産業の高温ニーズに応えることが出来ると確信されています。

並ぶ3種の製品とその活用シーン

今回の新製品によって、HEATNEXシリーズは「標準仕様」、「低抵抗率仕様」、「高温耐熱仕様」の3種に増え、それぞれの特性を活かした広範な応用が期待されます。これにより、医療機器、産業機器、自動車、さらには家庭用応用まで、多岐にわたる分野での利用が進むことでしょう。

展示会への出展

特に注目されるのは、2023年5月24日から26日にかけて開催される「人とくるまのテクノロジー展2023」において、アドバネクスがHEATNEXの新製品を出展することです。ブースでは実際に製品を体験できる機会も提供されますので、関心のある方はぜひ訪れてみてください。

まとめ

HEATNEXの発展によって、産業界に新たな風を吹き込むことが期待されています。アドバネクスは、これまでにも多くの革新をもたらしてきた企業であり、今後も新しい技術と製品の開発に取り組む意向です。この発熱素材がいかに産業を変革するのか、大いに注目が集まります。

このように、アドバネクスのHEATNEXは、幅広いニーズに応えることで新たな市場を開拓する可能性を秘めた存在です。