2024年8月20日、一般財団法人日本規格協会(東京都港区、理事長:朝日弘)は、新たに「洪水/内水氾濫注意」と「光警報装置(火災用)」を案内用図記号の日本産業規格(JIS)に追加しました。これにより、図記号の更新が行われ、特に災害に関する認識向上を目指しています。
昨今、毎年のように発生する大雨による災害が多くの命を脅かしていることを受け、国民が水害のリスクをより高く認識できるようにするため「洪水/内水氾濫注意」の図記号が新設されました。また、この図記号には、より直感的に水位の上昇を示すためのデザイン変更も行われ、二重の波形に3本の矢印が組み合わされた新しいビジュアルが採用されています。
同時に追加される「光警報装置(火災用)」についても注目が集まります。この装置は、特に聴覚障がい者や高齢者、さらには日本に訪れる外国人が迅速に火災の危険を認識できることを目的としています。欧米ではすでに広く利用されている光警報装置ですが、日本国内での普及が遅れている現状があり、JISによる規格化を通じてその普及を促進することが期待されています。
今回の改正では、これらの新しい図記号は、既存の表示システムに対しても実用的な補完となることを目指しています。また、これらの図記号は、消費者用警告図記号としての試験に基づいてデザインされており、日本人及びアメリカ、中国などの外国人を対象にした理解度試験も実施されています。一定の理解度が確認できたデザインを採用することで、統一的な標識の普及と認知向上が図られています。
この規格は2002年に制定され、その後何度かの見直しを経て進化しています。2017年には東京オリンピック・パラリンピックに向けての全面的な見直しが行われ、2022年にはバリアフリー関連や現状との不整合を考慮した改正がなされました。
今回の追加によって、災害時における情報アナウンスがより明確化され、多様な国籍の人々にとってもわかりやすいものになったと言えるでしょう。また、特に訪日観光客にとっても役立つ情報として活用されることが期待され、今後の普及が待たれます。
新しい「洪水/内水氾濫注意」図記号と「光警報装置(火災用)」の導入は、私たちの日々の生活の中で正確かつ安全な情報の提供を実現するための一歩となります。今後も災害対策において重要な役割を果たすことが求められるでしょう。これらの標識が、より安全な社会の実現に寄与することを期待しています。