書泉と白水社が再びタッグ!中世ヨーロッパの食文化に迫る名著が復刊
2023年、書泉限定復刊から始まった白水社の中世ヨーロッパ関連書籍は、大きな話題を呼びました。特に『中世への旅』シリーズは30,000部を超える販売数を記録、その人気は全国へと広がりました。その成功を背景に、書泉と白水社は新たな共同企画として、中世ヨーロッパの主食であるパンに焦点を当てた名著『中世のパン』の復刊を発表しました。
『中世のパン』:パンを通して見えた中世ヨーロッパ
著者のフランソワーズ・デポルト氏、翻訳者である見崎恵子氏によって書かれた『中世のパン』は、中世ヨーロッパにおけるパンの製造工程から、その流通、社会における役割まで、多角的に解説しています。中世の人々の生活、経済活動、社会構造を、パンという身近な存在を通して深く理解できる一冊となっています。
本書では、小麦がパンの原料として確立された経緯から始まり、パン作りの工程、パンの色や形、大きさといった細部に至るまで詳細に記述されています。都市におけるパン屋の成立とその実態についても言及されており、中世ヨーロッパの食文化を多角的に捉えられます。
また、多くの読者を驚かせる事実として、「黒パン」のイメージとは異なり、中世の人々は比較的柔らかく美味しい白パンを食べていた可能性が示唆されています。中世ヨーロッパへの興味がなくても、パンという身近な存在を通して、歴史への関心を深めることができるでしょう。
書泉グランデの大内学氏:企画の立役者
この復刊プロジェクトの推進役を務めたのは、書泉グランデの中世ヨーロッパ・歴史常設コーナー「ヒストリ屋」担当である大内学氏。以前から『中世への旅』シリーズの復刊に尽力してきた大内氏の熱意が、今回の復刊を実現させました。大内氏は『中世のパン』について、「パンにまつわるあらゆる事柄が網羅されており、中世の人々の生活を深く理解する上で貴重な一冊」とコメントしています。
書泉限定特典版:実用的なパン袋付き
今回の復刊に合わせて、書泉と芳林堂書店限定の特典版が用意されました。通常版に加え、実際にパンを収納できる特製のパン袋が付属します。パン袋はポリエステル素材で、サイズは150×600mmと、食卓で使いやすいサイズです。この特典版は、書籍のコレクターだけでなく、パン好きな方にも最適なアイテムとなっています。
「書泉と、10冊」企画:失われつつある名著の再発見
『中世のパン』の復刊は、「書泉と、10冊」第2シーズンの第一弾となります。「書泉と、10冊」は、絶版となった名著を適切な価格で提供し、多くの人に再び届けることを目的とした書泉独自の企画です。これまでに、さまざまな出版社と協力し、25タイトル以上の書籍を復刊してきました。この企画を通じて、書泉は単なる書店としてだけでなく、文化の発信基地としての役割を担っています。
まとめ:中世ヨーロッパへの新たな旅へ
『中世のパン』の復刊は、単なる書籍の再発売ではありません。それは、書泉と白水社、そして大内氏をはじめとする関係者の熱意が凝縮された、中世ヨーロッパの世界への新たな扉を開く企画です。パンを通して中世の人々の生活を垣間見たい方、あるいは書泉の取り組みを応援したい方にとって、見逃せない一冊と言えるでしょう。予約受付は2024年11月15日から開始され、2025年2月上旬頃に発売予定です。