問題解決ではなく対話を楽しむ
このたび、エムディエヌコーポレーションから新たに出版された『とりあえず話そう、お悩み相談の森解決しようとしないで対話をひらく』が注目を集めています。著者は安達茉莉子という作家で、彼女はこれまで多くのエッセイを手掛けてきました。その中で特に人との関係性や日常生活に関するテーマを扱ってきた彼女が、今回はお悩み相談という形式で、読者に新たな気づきを与えようとしています。
この本の特徴は、「悩みを解決することが全てではない」という姿勢です。人と話すこと自体が持つ価値を再認識させてくれる内容となっており、著者は身近な人に話しづらい悩みについて、まずは「話す」ことの重要性を教えてくれます。相談の相手が専門家でなくても、友人や知人との対話にはそれ自体に癒しの作用があるのです。
多面的な悩みへのアプローチ
本書は、いくつかのテーマに分かれてそれぞれの悩みに向き合っていきます。
- - 人付き合いの悩み編: 他人の時間を奪うことへの恐れや、感情労働との向き合い方について考察します。
- - 働くことの悩み編: 職場での人間関係や、休むことへの気持ちなど、働くことにまつわる悩みに寄り添います。
- - 暮らしの悩み編: 日常生活におけるさまざまな困難に対し、共に寄り添う姿勢で考えていきます。
著者は読者が自分自身の感情と向き合い、時には否定に駆られがちな自らの感情を受け入れていく道筋を示しています。その中で、悩みの根底に共通する点を見つけ、それを通して今後の生き方を考えることを促します。
「おわりに」に向けて
本書の最後には、「おわりに」としてアフタートークが設けられており、これまでの内容を深く掘り下げる時間が持たれます。ここでは、日常生活では感じにくい自らの意識や悩みについて、再度考え直す機会が与えられるのです。読者が抱えがちな「私はダメだ」という自己否定感からの解放が、この本を通じて実現できるかもしれません。
著者について
安達茉莉子は、大分県日田市出身の作家です。多様な人生経験を持つ彼女は、これまでに何度も言葉と絵を使った表現に挑んできました。彼女の作品には、思わず共感する声が多く寄せられているのも頷けます。出版された他の著書同様に、今作でも彼女らしさが遺憾なく発揮されています。
この新刊『とりあえず話そう、お悩み相談の森解決しようとしないで対話をひらく』は、まさに今を生きる私たちに向けた一冊です。気軽にページをめくり、自分自身の悩みを考えてみるきっかけとしても、多くの読者にとって良き道標となることでしょう。
概要
- -著者:安達茉莉子
- -定価:1,540円(本体1,400円+税10%)
- -B6変/152ページ
- -ISBN 978-4-295-20675-0
この本は、単なる悩み相談にとどまらず、私たちが日常で直面する心の問題に、柔らかくアプローチしているといえます。ぜひお手に取ってみてください。