2027年卒業生のキャリア形成に関する最新調査結果発表
株式会社マイナビが、2027年春卒業予定の全国の大学生及び大学院生を対象に行ったキャリア意向調査の結果を公表しました。この調査は、学生がどのようにキャリア形成を行っているのか、特にインターンシップや仕事体験への参加意識に焦点を当てています。
調査概要
この調査は2025年10月20日から10月31日まで実施され、全国の大学生や大学院生1,517名からの有効回答を得ました。参加者は文系と理系の男女に分かれており、各グループからバランスよくデータを収集しています。
キャリア活動への参加状況
10月のキャリア形成活動への参加率は57.0%と、前月比で19.6ポイントの大幅な減少です。この参加率の低下は、夏休み後に授業や課題が始まり、学生がインターンシップに参加する時間を確保しにくくなるためと考えられます。
特に注目すべきは、インターンシップ先で「具体的な仕事内容」が最も尋ねられ、多くの学生が「会社の長所や短所」「仕事のやりがいや満足感」といった情報を求める傾向が強いことです。この中で特に女子学生は、働き方やライフイベントとの両立に関する情報を重視しており、彼女たちのキャリア形成に対する意識の高さが伺えます。
男子と女子の意識の違い
調査結果では、男女間の意識の違いが明らかになりました。例えば、「社員の働き方やワークライフバランス」に関しては、女子学生の関心が高く、今後のキャリア形成における長期的なライフプランを重視していることが示されています。また、残業や休日出勤の実状、産休や育休制度に関する情報も女子の方が多く求めている状況です。
有償インターンシップの現状
さらに、給与が支払われる「有償インターンシップ」の参加率は17.8%という結果が出ました。このインターンシップに参加した理由として、「希望する業界・職種を体験したい」との声が44.6%と最も多く、続いて「実務経験を積みたい」という意見が43.8%です。
興味深い点は、「有償インターンシップ」がもたらす経験の質の向上です。具体的には「実務に近い経験ができた」や「責任のある仕事を任された」と感じる学生が多かったことから、実践的な学びの場を提供する重要性が浮かび上がります。これにより、学生のキャリア形成の質が向上し、将来の意思決定に役立つ可能性が高まるでしょう。
調査担当者の見解
調査を担当したマイナビキャリアリサーチラボの服部幸佑は、女子学生が重視する働き方に関する情報を企業が積極的に提供することが重要であると述べています。特に、働き方や制度の透明性を高める取り組みは、多様な人材を確保するための鍵となるでしょう。
また、有償インターンシップは、実務性や責任感の面で無償インターンシップよりも優位であり、より現実的な職場体験を通じて学生の適性を理解する助けとなります。これは、学生にとって大きなキャリア形成の一歩となることでしょう。一般の学生が自分のキャリアに対して意識を高め、積極的にインターンシップの機会を利用することが、未来の成功に繋がるはずです。