縦型ショート動画の魅力と普及の背景
近年、InstagramリールやYouTube Shortsなど、縦型の短尺動画が急速に広まっています。これらは9:16の比率で、60秒以内に収められることが特徴です。AIによる個別化されたレコメンド機能により、多くのユーザーにアクセスしやすく、簡単にコンテンツを制作できるため、訪日プロモーションの手段として非常に効果的です。
訪日プロモーションに適した動画作りのポイント
訪日プロモーションのためには、日本の独特な文化や美しい景観、地域の特産物などを冒頭に入れ、視聴者の興味を引くことが重要です。また、日本国内で人気のある動画と海外で注目される動画には、さほど違いがないことにも注目が必要です。要は「見て楽しい」「面白い」「美しい」と感じられるコンテンツが視聴者に支持されるのです。言語に依存しない視覚的な内容が好まれる傾向も強まっています。
さらに、SNSのトレンドに敏感であることも肝心です。流行の音源や新しいフォーマット、効果的なハッシュタグを把握し、適切に使用することで、より多くのユーザーにアプローチできます。
ビフォー・アフター事例からの学び
ここでは、Tastemade Japanが支援した二つの動画事例を取り上げます。制作した動画(ビフォー)とより洗練された編集を施した動画(アフター)を比較し、その改善点を紹介します。
長野県観光機構様「紅葉の赤」をテーマに
このプロジェクトでは、都心からのアクセスの良さを強調したいという依頼がありました。しかし、テロップに情報が詰め込まれると、伝えたい魅力が薄れてしまうことに懸念がありました。そのため、細かい情報は投稿の本文で補足し、「紅葉」と「りんごの赤」にフォーカスした動画コンテンツに仕上げることを提案しました。
- - Before: 初期素材として30秒の動画がありましたが、大量の情報が含まれ、視聴者にとっての焦点がぼやけていました。
- - After: 選び抜かれた映像を使用し、テンポ良く18秒にまとめ、白黒からカラーへの切り替えを駆使して視聴者を惹きつける作品に仕上がりました。
白馬村観光局様「Escape the Crowds in Japan」
こちらでは、映像のストーリーが明確であれば、テロップやナレーションは不要との判断をし、シンプルな構成を選びました。
- - Before: 頂上からの壮大な景色が冒頭にありましたが、全体の流れがわかりにくい印象でした。
- - After: 山登りの流れを時系列で整理しながら、「自分も行ってみたい」と思わせる構成になりました。流行の音源を用いることで、SNSでの発見性が強化されました。
縦型ショート動画配信の心得
動画アカウントを運営する際には、以下の三点を特に意識することが大切です。
1.
ターゲットの明確化: 誰に向けて発信するのか明確にしたうえで、投稿デザインやフォーマットを統一し、定期的に情報を発信することが重要です。
2.
ユーザーとのコミュニケーション: DMやコメントへの反応を通じて、ユーザーとの対話を大切にし、エンゲージメントを深めましょう。
3.
インサイトの分析: 投稿データを確認し、特に反応の良いコンテンツを強化することで、フォロワーのニーズに応えられるように育てていきます。
これから動画制作を考えている方へ
忙しい日常の中で、動画制作はハードルが高く感じるかもしれませんが、縦型ショート動画はスマートフォン一つで簡単に始められます。SNSでは巨額の予算をかけた作品が必ず成功するわけではなく、親しみやすい内容が人々に支持されることも多いのが魅力です。試行錯誤を重ねながら、自分たちに合ったコンテンツのスタイルを見つけてもらえれば嬉しいです。
最後に、詳細な情報についてはJNTOの公式ページをご覧ください。
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Tastemadeについて
Tastemadeは2012年にロサンゼルスで設立され、現在では世界中に拠点を持つライフスタイルメディアです。視聴者数は月間1.7億人を超え、エンターテイメント性の高い多様な動画コンテンツを展開しています。日本版も含め、多数のSNSプラットフォームで活動しています。