LRNが発表した行動規範レポートが示す日本企業の課題と未来
企業倫理とコンプライアンスのリーディングカンパニー、LRN(本社:米国)は、最近、「2025年行動規範レポート(日本版)」を発表しました。本レポートは、急速に変化するビジネス環境における企業倫理の重要性を再認識させる内容となっており、日本企業がどのような課題を抱えているのか、またその解決に向けた可能性を探るものです。
日本企業における行動規範の現状
世界的な不安定さ、技術の急成長、職場の多様化が進む中で、行動規範には法令遵守に留まらない新しい役割が求められています。対するLRNのレポートでは、日本の主要32社の行動規範を精査し、さらに140名の従業員を対象とした意識調査を実施。その結果、行動規範が企業文化や価値観を具現化させる手段としての役割を果たすには、さらなる改善が必要だとしています。
主な調査結果
1.
AIへの対応:2019年の調査においてAIに関する記載は0%だったのに対し、2025年には13%に達しました。しかし、87%の行動規範がAIの倫理な利用について十分に言及できていないという課題も明らかになっています。
2.
通報文化の強化:従業員が安心して声を上げられる環境が整いつつあります。報告窓口が明確に示されている行動規範は2023年の75%から97%に増加し、通報者保護の措置が明記されたケースも増えました。
3.
意識と活用の課題:ウェブベースの行動規範が浸透しているものの、実際に役立つと感じる従業員は49%と、グローバル平均の70%を下回ります。このことから、行動規範がどれだけ実践的に機能しているかが大きな課題であることが分かります。
4.
更新頻度の不足:調査対象32社の中で、過去2〜3年以内に行動規範を更新したのは53%であり、約半数は古い内容のままであることが判明しました。
LRNが提言する優れた行動規範の要素
LRNは、行動規範を実効性あるものにするための8つの重要要素を提言しています。特に、利便性を高めることが、日本の企業にとっての鍵であるとされています。
- - 目的と価値観の重視
- - 声を上げる文化の確立
- - アクセシビリティの向上
- - デザインとユーザー体験の改善
結論:理念から実践への道
本レポートは、行動規範の構造的な改善は見られつつも、真の課題はその内容がいかに組織内で実践され、倫理的な意思決定に結びつけられるかにあると指摘しています。日本企業は、高度に整備された行動規範をさらに実用的なツールへと進化させることが求められており、それによって国際的な信頼性を高め、倫理的リーダーシップを発揮することが期待されます。
レポートダウンロード
「2025年行動規範レポート(日本版)」の詳細は
こちらからダウンロードできます。今後の企業開発において必見の資料です。
LRN Corporationについて
LRNは、企業の倫理やコンプライアンスを支援するために世界中で活動しています。約3,000万人以上に及ぶ人々に教育やソリューションを提供しており、その影響力と成長スピードは業界内で評価されています。より詳細な情報は
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