植物の季節メーター
2026-08-21 14:14:17

植物の開花時期を決定する新たな仕組み『季節メーター』を解明

植物の開花時期を決定する『季節メーター』の解明



近年、植物がどのようにして開花のタイミングを決めるのかを探る研究が進んでいます。その中でも、筑波大学、京都大学、岐阜大学の研究者たちによる共同研究が注目を集めています。この研究では、植物が持つ「季節メーター」という内部的な仕組みが解明されました。具体的には、野生のアブラナ科植物であるワサビ(Eutrema japonicum)とハクサンハタザオ(Arabidopsis halleri)の2種を対象に行われました。

季節メーターとは何か?



植物は、外的環境の変化、特に気温の変化を基にして成長や開花のタイミングを調整します。この適応能力を担うのが「季節メーター」です。この仕組みは、過去の気温データをもとに情報を集約し、植物が最適なタイミングで成長・開花・休眠を行うことを可能にしています。

一般的に、植物は冬の寒さや春の暖かさといった季節の変化に反応しますが、この予測機能は植物が生存する上で非常に重要な役割を果たします。しかし、これまで「季節メーター」が記憶する気温の履歴の範囲については分からないことが多かったのです。

研究方法と結果



この研究では、2年間にわたり、ワサビとハクサンハタザオの開花制御に関与する遺伝子の挙動を詳細に追跡しました。研究者は、これらの遺伝子が気温の履歴をどのくらいさかのぼって記憶しているかを明らかにする手法を開発しました。その結果、3つの異なる遺伝子がそれぞれ異なる温度記憶期間に基づいて働いていることが判明しました。

  • - 一つは数日間、
  • - もう一つは数週間、
  • - 最後の一つは約5カ月間の気温を記憶しています。

この発見は、同じ制御系にある遺伝子の働きが、特定の植物種に依存せず、植物全体に共通する戦略である可能性を示しています。

この研究成果は、植物が季節にどう反応するかを予測する新たな手法の確立を可能にしました。この手法は、他の遺伝子や環境信号にも応用でき、地球温暖化の影響を受ける植物の適応能力を評価する手助けとなるでしょう。

今後の展望



地球温暖化やその他の気候変動が進行する中、植物が新しい環境条件にどのように反応していくのかを理解することは、農業や生態系の維持において重要です。本研究の手法は、気温や湿度をはじめとする気候データを詳細に解析し、植物の反応を評価するための新しいツールとして活用されることが期待されています。

研究代表者情報


  • - 筑波大学生命環境系: Diana Mihaela Buzas 准教授
  • - 京都大学生態学研究センター: 工藤 洋 教授
  • - 岐阜大学応用生物科学部: 山根 京子 准教授

今後も、このような研究を通じて、植物の生理機能やその応答メカニズムについての理解が深まることを期待しています。


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