浮き具使用は危険? ライフセービング協会が2023年度の監視・救助活動データ公開
公益財団法人日本ライフセービング協会(JLA)は、2023年度の全国海水浴場、湖水浴場、プールにおける監視・救助活動をまとめたアニュアルレポートを公開しました。
このレポートによると、要救助者のうち浮き具を使用していた人は全体の49%を占め、使用していない人の1.6倍にのぼることが明らかになりました。
特に、離岸流や風の影響を受けた要救助者の多くが浮き具を使用していたという結果も出ています。離岸流では58%、風では71%の要救助者が浮き具を使用していました。
これは、浮き具を使用することで安心感を得てしまい、周囲の状況に注意が向かなくなるケースが多いことが考えられます。浮き具はあくまでも補助的なものであり、浮力を過信してはいけません。
また、要救助者の年齢層では、24歳以下が多く、特に意識不明の溺れは19歳以下で多く発生しています。65歳から74歳の年齢層では、意識不明の溺れの割合が高いことも明らかになりました。
性別では、男性が女性の約1.7倍要救助者が多いという結果が出ています。時間帯別では、午前中から夕方にかけて一定数の要救助者が出ており、特に昼過ぎに多く発生しています。5歳から9歳、10歳から14歳の子供は、午後2時頃に要救助者が多い傾向が見られます。
水辺の安全対策の重要性
ライフセービング協会は、これらの調査結果から、水辺での安全対策の重要性を改めて訴えています。
水辺の事故は、人の意識、知識、行動で予防できるものです。安全な水遊びを楽しむためには、以下の点に注意する必要があります。
気象状況の確認: 出かける前に、風や波の状況、水温などの気象情報を必ず確認しましょう。
遊泳可能な場所の確認: 海水浴場やプールなど、遊泳可能な場所であることを確認しましょう。
浮き具の過信: 浮き具はあくまでも補助的なものであり、浮力を過信しないようにしましょう。
周囲への注意: 周囲の状況に常に注意し、子供から目を離さないようにしましょう。
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ライフジャケットの着用: 水辺で遊ぶ際は、ライフジャケットを着用することをおすすめします。
水辺の安全教育「Water Safety」の重要性
ライフセービング協会では、水辺の事故防止に繋がる安全教育「Water Safety」の普及・啓発活動を実施しています。
6月1日から9月31日までの4ヶ月間は、「2024 Water Safetyキャンペーン」として、水辺の安全教育の重要性を広く啓発しています。
協会のウェブサイトでは、無料で水辺の安全に関する情報や動画を閲覧することができます。水辺へ行く前に、安全に関する知識を学び、楽しい水遊びを安全に楽しみましょう。
まとめ
ライフセービング協会が公開したデータは、浮き具を使用することの危険性と、水辺の安全対策の重要性を改めて示すものとなりました。
水辺の事故は、事前に対策を講じることで防ぐことができます。安全な水辺でのレジャーを楽しむために、一人ひとりが意識を高め、安全対策を徹底しましょう。
水辺の安全は意識改革から始まる:ライフセービング協会のデータが示すもの
ライフセービング協会が発表した2023年度の監視・救助活動データは、私たちに水辺の安全に対する意識改革を強く促すものです。
特に浮き具の使用に関するデータは衝撃的でした。浮き具は水遊びの楽しさを増す一方で、その浮力に頼りきり、周囲の状況への注意が疎かになりやすいという側面も持ち合わせていることを改めて認識させられます。
データは、浮き具使用者が離岸流や風の影響を受けやすく、救助が必要となるケースが多いことを示しており、浮き具の過信は命に関わる危険性があることを明確に示しています。
また、年齢層や性別、時間帯別のデータから、様々な要因が水辺の事故に繋がっていることがわかります。若年層や高齢者、男性は特に注意が必要で、時間帯によっても事故のリスクが異なることを理解しておく必要があります。
ライフセービング協会は、これらのデータに基づき、水辺の安全教育「Water Safety」の重要性を訴えています。水辺の安全は、単に注意を呼びかけるだけでなく、正しい知識と行動を身につけることで初めて実現するものです。
協会が提供している無料のe-Lifesaving教材を活用し、水辺の危険性や安全対策について学び、自分自身と周りの人の安全を守る意識を高めましょう。
水辺は楽しいレジャーの場ですが、同時に危険が潜む場所でもあります。データから学び、安全対策を徹底することで、安心して水辺を楽しめる環境を築き上げていくことが大切です。