新たな共創経済「クマノミクス」が描く未来の姿
株式会社Kumanomicsは、2025年9月3日の創業1周年を機に、クマノミの日に合わせて「Kumanomics Report」を発表しました。このレポートでは、行政とビジネスの双方から集まった知見を最大限に活用し、様々な領域で見られる共創の形を紹介しています。そこで生まれたのが、「クマノミクス」という新たな経済モデルです。
クマノミクスの意味とその影響
「クマノミクス」という言葉は、「クマノミ」と「経済学」の「エコノミクス」を掛け合わせた造語です。この概念は、クマノミとイソギンチャクが示すように、異なる存在同士が相互に支え合う共生の関係を基盤としています。この思想に基づき、Kumanomicsは、新しい政策とビジネスの共創を通じて、行政、企業、市民、そして自然が互いに支援し合う経済活動を目指しています。
元経済産業省に所属し、政策提言のエキスパートである橋本直樹代表は、「政策はもはや行政だけのものではなく、様々な人々の手に委ねられるべきだ」と語ります。この視点は、地域社会や様々な関係者との協力を通じて新しいルールや仕組みを考えることが重要だという考え方に繋がります。
活動の実例
WaaS共創コンソーシアム
Kumanomicsは、JR東日本が主催する「WaaS共創コンソーシアム」の一環として、宮城県川崎町でのフィールドワークを実施しました。この取り組みでは、日本の名だたる企業7社と地域の事業者、住民が集まり、現地の課題と地域資源を共に探求。政策、ビジネス、住民活動の三位一体の共創を促進し、自律して共生するまちづくりを目指しました。
Glass Rockプロジェクト
虎ノ門ヒルズの「Glass Rock」では、社会課題解決を目的に多様なセクターが集まり、Kumanomicsのチームが共創コーディネーターとして活動しています。このプロジェクトは、都市部で育まれた知見と技術を地域の課題に結びつけ、持続可能な未来に向けた具体的な政策を策定するプロセスを支援しています。
新公益連盟との連携
また、Kumanomicsは新公益連盟とも連携し、次世代のNPOの在り方を模索するプロジェクト「デザインN」を進めています。これにより、異なる世代やセクターが共に対話し、NPOの新たな使命や可能性を共創しています。
東京大学での教育活動
橋本代表は、東京大学公共政策大学院で「公共政策のデザイン」の講師を務め、社会課題に対応するためのデザイン思想や手法を学生に伝授しています。この講義では、理論と実践を融合させ、実際の政策提案を行う能力を育成します。
ノマド政策家としてのビジョン
橋本代表は、新たな生き方を「ノマド政策家」と呼び、行政、民間、NPOといった異なるセクターの壁を越えた共生を実現することを目指しています。彼は、経済産業省での経験を活かし、広範な視点から社会課題に挑む姿勢を持ち続けています。彼の指導のもと、Kumanomicsは「政策はあらゆる人々のもの」とする新しい形を追求しています。
結言
創業から1年でKumanomicsが見出した「クマノミクス」は、多様な存在が共に支え合う未来の姿を描いています。今後もこの取り組みが続き、地域社会やセクターを越えた新しい共創の形が生まれることでしょう。Kumanomicsの活動は、「政策づくり」をよりオープンで多様なものに変えていく可能性を秘めています。