二日酔いとロキソニン
2020-03-03 13:56:12
二日酔いに対するロキソニンの効果を医師150名が試験で検証!
二日酔いにロキソニンは本当に有効か?
日本で初めて医師を被験者とした臨床試験、「Hangovercome(ハングオーバーカム)試験」が実施されました。この試験は、医療従事者の間で噂されていた「二日酔い症状にロキソニンが有効なのか?」という疑問を検証するもので、その結果が注目されています。
試験の背景と目的
この試験は、医師たち自身が臨床研究を体験し、その重要性を理解してもらうために企画されました。また、近年、日本の臨床研究が他国に比べて遅れをとっている現状を踏まえ、医師が自ら研究に参加することで、臨床研究の普及を目指しています。
研究の概要と方法
試験は2017年7月から2018年5月にかけて行われ、229名の医師が参加。その中から150名が二日酔い時にロキソニンまたはプラセボを服用する形で実施されました。無作為化二重盲検プラセボ対照試験という厳格な研究デザインを採用しており、インターネットを活用した手法で日本全国から参与が可能となりました。これは、日本における臨床研究の新たな形を示唆しています。
結果と考察
試験結果によると、ロキソニンを服用した群では、二日酔いによる「頭痛」の症状改善において25ポイントの効果がありました。一方、プラセボ群は10ポイントの改善にとどまり、統計的に有意な差が認められました。この結果から、ロキソニンは頭痛の緩和に一定の効果があると言えます。
しかしながら、全身倦怠感や吐き気に関しては、ロキソニン群とプラセボ群で明確な改善効果は確認されませんでした。このことから、ロキソニンの効果が頭痛に限定される可能性が示唆されています。
クラウドファンディングによる支援
今回の試験では、一般にも臨床研究の重要性を知ってもらうため、クラウドファンディングによって研究費用を募りました。目標の150万円を超える168万円が寄付され、総研究費330万円の一部分を賄うことに成功しました。このような資金調達の方法は、日本ではあまり例のない試みです。
今後の展望
日本臨床研究学会は、この試験を通じて得られた知見をもとに、さらに多くの臨床研究が実施されることを期待しています。また、臨床研究のリテラシーを高め、次世代の医師の育成にも力を入れる方針です。
この試験におけるロキソニンの効果に関する知見は、今後の医療現場においても役立つ可能性がありますが、服薬に関しては必ず医師や薬剤師の指示に従って行うことが重要です。最終的に、臨床研究の成果が医療の質を向上させることを目指していきたいと思います。
参考情報
日本臨床研究学会は、臨床研究の推進及び質の向上に寄与することが目的の団体です。今後も多くの興味深い研究が期待されます。
会社情報
- 会社名
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一般社団法人日本臨床研究学会
- 住所
- 大阪府大阪市北区梅田1丁目11番4-1000号大阪駅前第4ビル10階
- 電話番号
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06-6131-5495