製薬企業が連携し、LGBTQ+ 包括的な職場環境を目指す
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社(以下、BMS)は、LGBTQ+(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーなどの性的マイノリティ)を取り巻く課題への取り組みを共有する製薬企業の社員ネットワーク「Pharma Ally Japan」の合同講演会を6月21日に開催しました。
本講演会は、LGBTQ+に関する理解を深め、各社の制度改革や環境整備に役立てることを目的として、オンライン形式で実施され、450名以上の社員が参加しました。BMSの人事担当者は、同社のDE&I(ダイバーシティ&インクルージョン)活動について紹介し、「DE&Iは私たちの企業文化として根付いています」と強調しました。
パネルディスカッションでは、採用におけるセクシャルマイノリティへの配慮やLGBTQ+フレンドリーなカルチャーの定着といったトピックについて、各社の人事担当者が具体的な取り組みを共有しました。DE&I推進の重要性と、LGBTQ+に関する環境改善に向けた課題について活発な意見交換が行われました。
BMSの代表取締役社長であるスティーブ・スギノ氏は、「私たちは従業員の多様な経験や見解を認め、尊重しています。すべての従業員が自分らしく仕事に取り組めることを奨励し、患者さんを助けるという使命を推進していきます」と述べ、Pharma Ally Japanとの連携を通じて製薬業界におけるDE&I推進に尽力していくことを表明しました。
BMSにおけるDE&IとLGBTQ+ 環境改善への取り組み
BMSは、従業員の多様性を重視し、性別、国籍、年齢に加え、価値観、考え方、性格、性自認、性的指向など、あらゆる個性を尊重しています。世界21カ国で活動するPRIDE Allianceなど、8つの有志社員ネットワークを通じて社内外におけるDE&Iを推進しています。
2023年5月には、日本におけるLGBT平等法の導入を支持し、性的指向や性自認に基づく差別を禁止する「ビジネスによるLGBT平等サポート宣言」に賛同しました。同年11月には、職場における性的指向・性自認に関する取り組みを評価する「PRIDE指標2023」で最高ランクの「ゴールド」認定を獲得しました。
Pharma Ally Japan:製薬業界のDE&I 推進を牽引
Pharma Ally Japanは、DE&I活動を推進する7社の製薬企業の従業員ネットワークグループです。2021年に4社で活動を開始し、2023年にBMSとヴィーブヘルスケア株式会社が、2024年にファイザー株式会社が加わりました。
「患者さんや医療関係者に貢献し、すべての人が自分らしく生きられる環境づくりに取り組む」という共通ビジョンのもと、情報交換や合同講演会開催、社外イベントへの参加などを通じて、LGBTQ+当事者の方々が安心して医療を受けられる環境構築を目指しています。
包括的なDE&I 推進に向けた取り組み
本講演会は、製薬業界におけるDE&Iの重要性を改めて示すものでした。各社の具体的な取り組みや課題を共有することで、業界全体の意識改革と環境改善が促進されることが期待されます。今後、Pharma Ally Japanが中心となり、より多くの企業がDE&Iに取り組み、LGBTQ+を含むすべての従業員が安心して働き、自分らしく活躍できる環境が実現されることを期待します。
製薬業界におけるDE&Iの重要性:多様性と包容性を追求する未来
製薬企業が連携して開催したLGBTQ+に関する合同講演会は、単なるイベントではなく、業界全体の意識改革の必要性を強く訴えるものでした。DE&Iはもはや企業の社会的責任として認識され、その推進は企業の競争力強化にもつながる重要な要素となっています。
特に製薬業界においては、患者さんの多様性を理解し、誰もが安心して医療を受けられる環境を提供することが重要です。LGBTQ+の方々を含むすべての従業員が自分らしく働き、能力を最大限に発揮できる職場環境を構築することで、より革新的で質の高い医療サービスの提供につながると考えられます。
今回の講演会で共有された各社の取り組みは、DE&Iを推進するための具体的な指針となるでしょう。採用における配慮、LGBTQ+フレンドリーなカルチャーの醸成、多様性を受け入れる社内制度の整備など、多岐にわたる取り組みが紹介され、参加者にとって貴重な学びの機会となりました。
今後、Pharma Ally Japanのような社員ネットワークグループが中心となり、製薬業界全体でDE&Iを促進していくことが重要です。多様な人材がそれぞれの能力を活かせる環境が実現することで、患者さんにとっても、従業員にとっても、より良い未来が創造されることを期待します。