俳聖松尾芭蕉の故郷である伊賀市では、2023年11月12日に特別な給食イベントが予定されています。この日は芭蕉の忌日であり、「しぐれ忌」として知られる日です。伊賀市の公立小中学校では、食育の一環として、地域の特色を反映した献立や行事食が実施されることになっています。
俳句食器の導入
今回のイベントでは、地元の学校給食に「俳句食器」を導入し、給食メニューには松尾芭蕉による「月見の献立」の一部が再現されます。食器はPEN樹脂製の汁椀で、特に印象的なのはその内側にデザインされた俳句とイラストです。俳句は「古里や臍のをに泣としのくれ」というもので、松尾芭蕉の生誕380年を記念したキャラクター「芭蕉クン」のイラストが施されています。この食器は、いがっこ給食センターで調理される9つの中学校に2500個供給されます。
特別メニューの内容
さらに、11月12日には市内の全公立小中学校で、芭蕉にちなむ特別なメニューが提供されます。この日の献立は、「きのこの五目飯」、「小魚の揚げからめ」、「しょうが入りのっぺい汁」、そしてデザートには「半切みかん」が含まれています。この献立は、松尾芭蕉が自身の月見の宴のために考案したとされるもので、食育を重視した地産地消の理念にも通じています。
保護者への試食会
また、柘植中学校では保護者を招待しての給食試食会も開催されます。この試食会は、12時10分からランチルームで行われ、保護者が実際の給食を味わえる貴重な機会となります。
地域の誇りを育てる
伊賀市では、松尾芭蕉を地域の教育や文化のシンボルとして取り入れることで、郷土への誇りを育む取り組みが続いています。今回のような行事は、ただの食事提供にとどまらず、地域の伝統や文化を次世代に伝える重要な活動でもあります。
この特別な給食イベントを通じて、伊賀市の子どもたちが松尾芭蕉の教えを感じ、食文化について学び、郷土への愛着を深めることが期待されています。伊賀市の豊かな食文化と歴史を学ぶ素晴らしい機会ともなるでしょう。