高品質牛乳の安定供給を目指すグリーンコープの挑戦
高品質牛乳の安定供給を目指すグリーンコープの挑戦
近年、日本国内の農畜産業は国際的な情勢の影響を受け、大きな変革を迎えています。特に、ウクライナや中東での国際情勢の変化、円安の進行が輸入飼料に大きな影響を及ぼし、配合飼料の価格が高騰しています。10年前のトウモロコシは1キロあたり27円であったのに対し、昨年度には43円を超える水準に達しました。このような厳しい状況の中、一般社団法人グリーンコープ共同体(以下、グリーンコープ)が高品質な牛乳の安定供給を目指す取り組みを進めています。
国産飼料の必要性
農畜産業の持続可能性を確保するためには、輸入に依存しない国産の飼料を利用した安定供給体制が不可欠です。グリーンコープは、下郷農業協同組合や耶馬溪酪農組合と連携し、国産飼料の製造から乳牛の飼育、牛乳の製造までを一貫して行う体制を構築しています。この協力によって、将来にわたって安心で安全な牛乳を提供する基盤を整えています。
新たな取り組みの詳細
グリーンコープは、今年の夏に以下のスケールで新たな取り組みを始動します:
1. 1000頭規模の酪農場
この酪農場では、年間8000トンの生乳を生産し、現在の市場ニーズに応えます。
2. 年間15000トン規模の国産飼料をつくるためのTMRセンター
TMR(Total Mixed Ration)センターは、混合飼料の生産を担い、新鮮で質の高い飼料を提供します。
3. 年間700万本のびん牛乳工場
この工場では、上質なびん牛乳の製造を行い、消費者に安心な商品をお届けします。
これらのプロジェクトはすべて、グリーンコープの理念である「新しい産直」を実現するために、共同で設立した会社が運営します。
プロジェクトの意義
生産者が直接経営に関わることは非常に珍しい取り組みです。この新しい体制によって、生産と流通の連携がより強化され、消費者にとっての透明性や信頼性が高まると期待されています。また、地域の農業に貢献することで、持続可能な社会の実現にも寄与するでしょう。
収穫視察の中止
しかし、この重要な視察イベントが台風10号の影響により中止となりました。視察は、関係者が一堂に会し、稲WCS(稲発酵粗飼料)について学ぶ機会として予定されていましたが、悪天候のため残念ながら実現できませんでした。
今後もグリーンコープは、地域の農業とともに歩み、高品質で安心な牛乳の供給を続けていく考えです。グリーンコープの取り組みに注目が集まる中、彼らの挑戦はどのように実を結ぶのか、今後の展開に期待が寄せられています。
会社情報
- 会社名
-
一般社団法人グリーンコープ共同体
- 住所
- 福岡県福岡市博多区博多駅前1-5-1博多大博通ビルディング4F
- 電話番号
-
092-481-4800