外国人の住まい問題を考える
近年、日本に住む外国人の数は急増しています。出入国在留管理庁が公表したデータによると、2024年12月末時点で日本に在留する外国籍の方は376万8,977人に達し、前年より35万人以上も増加しています。この背景には、国際的な交流や経済活動の活発化があります。しかし、このような増加にもかかわらず、外国人が日本で住まいを探す際には、様々な障壁が待ち受けています。
その一つとして挙げられるのが、入居希望者が直面する「見えない壁」です。公益財団法人日本賃貸住宅管理協会の調査によれば、外国籍の入居希望者の22%が希望する物件への入居を断られた経験があり、その理由の69.7%が「外国人であること」だという結果が示されています。このような状況は、外国人が日本で安心して生活するための障害となっています。
GTNとオープンハウスの連携
そこで、外国人支援を専門に行っている株式会社グローバルトラストネットワークス(GTN)と、不動産関連サービスを展開する株式会社オープンハウスグループは共同でキャンペーンを実施することを決定しました。GTNは、住まい、就労、通信、金融など、日本での生活に関連するさまざまなサービスを外国人に提供しており、毎年20万件以上の生活に関する相談を受けています。特に、住まいに関する問い合わせは多く、入居者と管理会社との調整や、生活習慣から生じるトラブルへの対応など、多岐にわたる課題に直面しています。
一方、オープンハウスグループは「やる気のある人を広く受け入れ、結果に報いる組織をつくる」という理念を持ち、外国人材の採用や海外進出に力を入れています。こうした2社の共通のビジョンが、今回のキャンペーン実施に繋がったのです。
キャンペーンの具体的な取り組み
このキャンペーンでは、主に二つの取り組みが予定されています。まず一つ目は、「日本で住まいを探した経験のある外国人」と「外国人の住まい探しを支援するプロ」との対談です。この対談では、外国人が日本で住まいを探す際のハードルや、克服するための努力がどのように行われているのかをリアルな声として発信します。記事としてO-EN HOUSE PROJECTのサイトに掲載される予定です。
そして二つ目は、アンケート調査です。日本に居住経験のある外国籍の方を対象に住まい探しに関する意見を募り、そのデータを基に対談記事の制作に活用します。また、回答者の中から抽選で1名に1万円がプレゼントされる特典もあります。
こうした取り組みを通じて、GTNとオープンハウスは、外国人の住まい探しの問題を社会全体で認識することを目指しています。多文化共生社会の実現に向けて、誰もが快適に暮らせる環境を整えることが急務です。
まとめ
外国人が日本で安心して生活するためには、住まい探しの課題を一つ一つクリアしていく必要があります。GTNとオープンハウスの共同キャンペーンは、そのための重要な第一歩です。今後も多文化共生を推進し、さまざまな場所での課題解決に向けた取り組みが期待されます。