e-methane製造コスト削減へ
2023-12-08 10:00:02
地域資源活用!メタネーションでe-methane製造コスト削減を目指す実証事業開始
地域資源活用でe-methane製造コスト削減へ!実証事業がスタート
2023年9月27日、環境省の令和5年度「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」に採択された、画期的なプロジェクトがスタートしました。西部ガス株式会社を筆頭に、株式会社IHI、株式会社JCCL、国立大学法人九州大学、一般社団法人日本ガス協会、ひびきエル・エヌ・ジー株式会社、北海道ガス株式会社、広島ガス株式会社、日本ガス株式会社の9社が共同で取り組む、「地域原料活用によるコスト低減を目指したメタネーション地産地消モデルの実証事業」です。
この事業の目的は、再生可能エネルギーの余剰電力や、近隣工場から排出される副生水素、そして未利用のCO2を資源として活用し、e-methane(合成メタン)の製造コストを大幅に削減すること。さらに、環境への負荷を軽減し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
メタネーション技術でCO2排出量削減
本実証事業の中核となるのは「メタネーション」という技術です。これは、水素(H2)と二酸化炭素(CO2)を反応させて、都市ガスの主成分であるメタン(CH4)を合成する技術です。この技術を用いることで、化石燃料に頼らず、クリーンなエネルギーであるe-methaneを製造することが可能になります。e-methaneは燃焼時にCO2を排出しますが、原料に回収したCO2を使用することで、大気中のCO2増加を防ぐ効果が期待できます。
地域連携と産学官の協力体制
本実証事業は、産学官の連携体制によって支えられています。北九州市、福岡県、福岡市が実証事業を支援し、水素やCO2の調達先を検討したり、原料の提供を支援します。さらに、株式会社ブリヂストンやトヨタ自動車九州株式会社といった企業も、環境価値の提供という形で協力しています。
特に注目すべきは、e-methane製造コストの最小化を実現するための、原料調達、輸送、製造計画を自動的に立案するシステムの導入です。複数の原料ソースに対応できるプラットフォームも開発され、e-methaneの由来に関する証明書(クリーンガス証書)やカーボンフットプリントの提供が可能になります。これにより、e-methaneの信頼性と透明性を高め、市場での普及促進に繋がると期待されています。
ひびきLNG基地での実証運転
e-methaneの製造実証運転は、2025年度に北九州市若松区向洋町にあるひびきLNG基地内で行われる予定です。この基地は、すでにLNG(液化天然ガス)の受け入れや貯蔵において優れたインフラを備えており、本実証事業の理想的な場所と言えるでしょう。
2050年カーボンニュートラル実現への貢献
本実証事業は、2050年カーボンニュートラル目標達成に向けた重要な一歩です。関係各社は、地域社会の持続的な発展に貢献するため、着実に取り組みを進めていくことを表明しています。このプロジェクトが成功すれば、日本のみならず、世界中のカーボンニュートラル実現に大きく貢献する可能性を秘めています。今後、この実証事業の進捗に注目が集まることでしょう。
会社情報
- 会社名
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株式会社JCCL
- 住所
- 福岡県福岡市西区九大新町4-1福岡市産学連携交流センター108室
- 電話番号
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