日本発の革新的な超小型ソーラーセイルプロジェクトが始動！

株式会社cosmobloomの挑戦

株式会社cosmobloom（本社：東京都大田区、CEO 福永桃子）は、東京科学大学を中心とする研究グループと共同で「超小型ソーラーセイルによる姿勢・軌道統合制御」プロジェクトを推進しています。このプロジェクトは、JAXA（宇宙航空研究開発機構）の「産学官による輸送・超小型衛星ミッション拡充プログラム」への参加を通じて、フィージビリティ・スタディフェーズから開発フェーズへの移行が決まりました。

プロジェクトの目的

本プロジェクトでは、超小型ソーラーセイル「PIERIS」を開発し、新しい姿勢・軌道制御技術の実証を目指します。具体的には、太陽からの輻射圧を利用した推進剤フリーの宇宙機の制御技術を、まずは地球近傍の軌道で獲得することを目指しています。これにより、今後の深宇宙探査ミッションにおいても重要な役割を果たすことが期待されています。

ソーラーセイルとは？

ソーラーセイルは、宇宙空間に大きな膜を展開し、太陽の光を利用して宇宙機を推進する技術です。従来の宇宙機は推進剤を利用する必要があり、その使用に制限がありました。しかし、ソーラーセイルは推進剤を使用せず、非常に低い圧力で長期間にわたって軌道を制御することが可能です。本プロジェクトでは、この技術を用いたジンバル機構を使った新たな制御方法の実証を行います。

産業界への影響

日本国内でソーラーセイルに関する実証が行われるのは、IKAROS以来久しぶりです。海外では既に複数の超小型ソーラーセイルが開発されており、日本がこの分野で遅れをとっているという現状を打破することが期待されています。また、地球低軌道における姿勢・軌道の制御に成功すれば、スペースデブリ問題の解決にも寄与する可能性があります。

今後の展望

今後、PIERISの開発が進む中で、膜の形状精度の向上に向けた多くの知見が得られることが期待されています。cosmobloomは、このプロジェクトで得られた技術をもとに、軽量で高い展開率を持つデオービット装置や高精度な膜面アンテナの開発へも応用していく方針です。

株式会社cosmobloomについて

cosmobloomは、柔軟性の高い「ゴッサマー構造」を利用し、宇宙構造物の解析や設計を手掛ける企業です。過去には、IKAROSの膜面展開シミュレーションを行うなど、宇宙技術の最前線での挑戦を続けています。企業理念に沿って、希望を持てる未来の実現を目指して、研究開発に取り組んでいます。

cosmobloomのウェブサイトはこちら