こだまの新作小説『けんちゃん』がついに刊行
著者のこだまが、待望の初小説『けんちゃん』を2026年1月20日に発表することが決まりました。彼女は、『夫のちんぽが入らない』という私小説で日本中に衝撃を与え、その後も多くの読者から注目を集めてきました。この新作は、自身の経験を基にした連作形式の小説で、障害のある青年「けんちゃん」とその周囲の人々との心温まる交流を描いています。
物語の舞台と内容の概要
本作の舞台は、オホーツク海に面した北海道の小さな町です。29歳の多田野唯子は、特別支援学校の「すずらん寮」で臨時採用の寄宿舎指導員として働き始めます。彼女は、80人の障害のある生徒たちと共に暮らす中で、試行錯誤の日々を送ることになります。
唯子の前に現れるのは、ダウン症の高校3年生であるけんちゃん。彼は「網走監獄脱獄中」と書かれたTシャツを着て、ペプシを手にして唯子に話しかけます。この独特の言動が、唯子の心の隙間を埋め、彼女に新たな気づきを与えていくのです。
登場人物の視点から描くテーマ
『けんちゃん』では、各章ごとに異なる登場人物が「けんちゃん」との関わりを通して、それぞれの葛藤や成長が描かれています。例えば、寄宿舎の指導員である唯子は、自分自身の不安や過去に抱える傷と向き合います。また、周囲の高校生やコンビニ店員、新聞記者といった多様なキャラクターたちの言葉や思いが、物語の中で絡み合いながら進行していきます。
この物語は「自立とは何か?」「多様性の意義」「人生の意味」を問いかけており、現代社会における重要なテーマが色濃く反映されています。こだまの筆致は、苦しみや孤独を抱える人々の心に光を射し込み、再生とつながりの希望を与えます。
作者の思いとコメント
こだま氏は自身の経験をもとに、高校生のけんちゃんの視点とその周囲の人々の反応を描き出しています。寄宿舎指導員としての彼女自身の経験から、さまざまな人々が抱える悩みや喜びがリアルに表現されています。彼女は、「けんちゃん」を通じて自身が感じた柔軟な発想や闘う姿勢を読者に伝えたいと述べています。
「生きづらさの中でも、少しずつ日々を生きる人々の交流を描きたい」との想いが込められた本作は、読者に感動と実感を与え、心に残る作品です。
編集者の期待
こだまの編集担当者もかねてより「けんちゃん」の物語を形にしたいと考えていました。デビュー作が大ヒットしたものの、著者が正当に評価されていない部分もあると感じ、この作品を通じて改めて彼女の才能と視点が認められることを期待しています。
書籍概要
- - 作品名: けんちゃん
- - 著者: こだま
- - 仕様: 四六変判
- - 価格: 1,650円(税込)
- - 発売日: 2026年1月20日
- - 出版社: 株式会社扶桑社
本作は、全国の書店やAmazon、楽天ブックスなどで事前予約が可能となっており、多くの人々に楽しんでもらえることを願っています。