2024年10月M&A速報
2024年10月のM&A(企業の合併・買収)に関するレポートが発表され、件数と取引金額共に過去最高を記録しました。特に外食業界において活発な動きが見られる中、多くの企業が提携や買収を通じて新たな成長を目指しています。
10月のM&Aの概要
10月に発表されたM&A件数は91件で、前年同月に比べ6件増加しました。この数字は2008年以来の過去最多であり、企業の成長戦略としてM&Aの重要性が増していることを示しています。取引金額も6200億円を超え、前年同期比で2.55倍増加しています。これらの数値を基に、2024年1月から10月までの累計で980件、累計金額は8兆円を超え、前年同期である832件および6兆4130億円を大きく上回りました。
外食業界の活況
特に注目すべきは、外食・フードサービス業界の活発なM&A活動です。10月にはサンマルクホールディングス、KOZOホールディングス、ワタミといった企業によるM&Aが発表され、1月から10月までに26件となっています。コードウイルス感染症の影響で変化した市場において、同業者同士の買収案件が目立ち、ビジネスモデルの転換を図る企業が増えていることが伺えます。
注目のM&A案件
10月に発表されたM&Aの中でも特に目を引く案件を紹介します。
1. 日本ペイントホールディングス
- - 概要: アメリカの化学品メーカーAOCの子会社化
- - 取引金額: 約3340億円
- - 詳細: 日本ペイントHDは、海外市場での販売網を拡充する狙いで、AOCを傘下に迎えることで低リスクかつ高マージンの製品ポートフォリオを獲得しました。
2. サムティホールディングス
- - 概要: シンガポールの投資ファンド、ヒルハウスのTOBを受け入れ非公開化を目指す
- - 取引金額: 1063億円
- - 詳細: サムティは、事業転換を図り、ヒルハウスとの協力で自社の不動産開発事業の成長を目指します。
3. UBE
- - 概要: ドイツの化学品メーカー、ランクセスからウレタン関連製品事業を取得
- - 取引金額: 約736億円
- - 詳細: ランクスからの事業取得により、高機能ウレタン樹脂市場での競争力を強化する狙いがあります。
10月のM&A上位企業
- - 日本ペイントHD: 3340億円
- - サムティホールディングス: 1063億円
- - UBE: 736億円
他にも多くの企業がM&A戦略を通じて新しいビジネスチャンスを得ようとしており、日本経済再生に向けた明るい展望が広がっています。
まとめ
今回のレポートからは、企業が重要な成長戦略としてM&Aを選択していることが浮き彫りとなり、多くの業界において業務提携や買収が進んでいることが分かります。外食業界の動向を筆頭に、今後もさらなる発展が期待されます。M&A Onlineでは、今後も最新情報を続々と提供していく予定です。