金継ぎで石川復興を応援するプロジェクトの活動報告
概要
2024年4月より、新たに始まった「金継ぎで石川復興を応援するプロジェクト」。この取り組みは、令和6年能登半島地震で被災した方々が大切にされていた器を、東京の金継ぎ教室「つぐつぐ」の生徒たちが心を込めて修理し、返却することを目的としています。ここでは、その経緯と成果についてお伝えします。
プロジェクトの目的
金継ぎは、壊れてしまった器を修復し再生させる日本の伝統技術です。本プロジェクトでは、被災者の心の拠り所としての器を復活させるだけでなく、物理的な修復を通じて、精神的な癒しや希望を提供することを目指しています。修理費用はすべて「つぐつぐ」が負担し、地元の自然由来の漆を使用した持続可能な方法が採用されています。
修理の進捗
プロジェクトスタートから8ヶ月が経過しましたが、これまでに7件の修理依頼を受け、3件が完了しました。この修理には何ヶ月もかかりますが、丁寧な作業が心掛けられています。参加者の感謝の声が、作業の励みとなるのです。
被災者の思い
実際に金継ぎを依頼した方々から寄せられたエピソードは、各々の心に響くものでした。ここでは3名の感動的な体験を紹介します。
大学時代の友人から贈られたお茶碗が地震で割れてしまいました。その頃、時間が取れず金継ぎを先送りにしていましたが、このプロジェクトを知り、修理を依頼。完成した器が届くと、「友人の器がまた思い入れのあるものになった」と喜びを表現されました。
元日の地震で大切にしていた夫婦椀が欠けてしまったことが参加のきっかけ。修理後の器に感激し、「夫婦感があって素敵」と興奮の声が寄せられました。
大好きな作家さんのご飯茶碗が割れたことが心痛むエピソード。修理後には美しく戻り、「末長く使いたい」と感謝の気持ちが綴られました。
金継ぎ参加者の声
また、金継ぎ修理に携わった生徒たちもこのプロジェクトを通じて、新たな学びや技術向上を感じているようです。「他人の器を手掛けることで、自然に緊張感が生まれる」といった声も聞かれ、その体験は多くの生徒にとって貴重なものとなっています。
今後の展望
「金継ぎで石川復興を応援するプロジェクト」は単なる一時的な支援に留まらず、今後も持続的に被災地支援を続けていく方針です。日本は地震の多発国であり、災害による被害は続いていますが、つぐつぐは全国どこでも同様の支援を行えるよう、体制を構築していきます。このプロジェクトが多くの人々に笑顔をもたらすきっかけになることを願っています。
今回の応募に関して
なお、このプロジェクトでは2024年度の応募受け付けについても情報が公開されています。次年度からは応募制を廃止し、全てのご依頼を受け入れる方針に変更予定です。詳細については、公式ウェブサイトからご確認ください。
最後に
金継ぎで蘇った器が持つ想いは、被災者一人一人のストーリーとなり、周囲の支えがどれほど価値のあるものであるかを教えてくれます。