電子書籍市場の成長と今後の展望
電子書籍市場は、2023年度に6449億円という規模に達しました。この数字は前年度の6026億円から大きく伸びており、今後の成長が期待されています。株式会社インプレスは、2024年7月に発行予定の「電子書籍ビジネス調査報告書2024」において、電子書籍市場の動向を詳細に分析しました。
市場の現状と未来
2023年度の電子書籍市場は前年比7.0%の増加を記録しましたが、コロナ禍の特需がなくなりつつある中、今後の成長率については懐疑的な見方もあります。物価上昇や消費者の支出傾向の変化も影響し、成長率が一桁%に留まっているにもかかわらず、2028年度には8000億円に成長すると予測されています。
現在、電子書籍市場の内訳を見ると、電子コミックが5647億円を占めており、市場シェアは87.6%に達しています。一方で、文芸や実用書のデジタル化は、一部減少傾向にあることも指摘されています。
電子書籍利用者の設問結果
調査によれば、有料電子書籍の利用率は18.7%と3年連続して減少していますが、無料サービスの利用は28.8%に増加しています。特に20代、30代の男女においては、有料利用者が高いことが確認されています。
また、最近注目されているのが「Webtoon」です。この新しい書籍形式に対する消費者の関心が高まり、特に若年層からの支持を集めています。調査では、「よく課金・購入する」と回答したのは7.1%で、昨年よりも増加しています。
主要電子書籍サービスの動向
利用されている電子書籍サービスの中で注目されるのが、松村氏が運営する「ピッコマ」とLINE社の「LINEマンガ」です。これらは無料・有料を問わず人気が高く、特に「ピッコマ」は31.8%でトップの利用率を誇っていますが、LINEマンガも30.9%と健闘しています。
一方で、「Kindleストア」は28.0%でその勢力を保っていますが、少しずつ利用者が減少しているのが気がかりです。これらの動向から、競争はますます激化していることが伺えます。
まとめ
電子書籍市場は新たな成長を迎えております。WebtoonやIPビジネスの展開が今後の成長を支える要素となると考えられています。インプレスの調査報告書では、このような電子書籍市場の最新動向を分析し、今後の展望について深く掘り下げていくこととなります。2024年度に発表予定の詳細なデータにご期待ください。