ノバルティスが日本にクリニカルリサーチ拠点を設立し革新を加速
ノバルティス、クリニカルリサーチハブ設立で革新を促進
ノバルティス ファーマ株式会社(東京都港区)は、日本における研究開発体制を強化するため、新たに「クリニカル トランスレーショナルリサーチ ハブ」を設立することを発表しました。この新拠点は、約50人の研究者を増員し、ファースト・イン・ヒューマン試験および早期臨床試験をこれまで以上に積極的に進めることを目的としています。
この「クリニカル トランスレーショナルリサーチ ハブ」は単なる研究施設ではありません。ノバルティスが重点している疾患領域—循環器、腎、代謝、免疫学、中枢神経、そして腫瘍学—において、初期の臨床試験を強化し、医療現場との連携を深めることを狙いとしています。
日本における研究開発の重要性
ノバルティスは、日本を米国、中国、ドイツに並ぶ戦略的優先地域と位置付けており、臨床試験の約90%が国際共同で行われています。この背景には、日本における医療の高度化と、国内患者への迅速かつタイムリーな医薬品の供給が必要とされるという現実があります。ノバルティスは、自社製品の約90%を海外の承認に合わせて日本市場に送り出す努力を続けています。
特に「クリニカル トランスレーショナルリサーチ ハブ」の設立により、より早期の段階から日本のニーズを開発プログラムに組み込むことで、ドラッグラグ・ドラッグロスの解消を図ります。日本国内の研究者や医療機関との協働を強化し、革新的な医薬品を早期に市場に提供することが期待されています。
若手人材の育成と国際的なネットワーク
ノバルティスは、橋渡し研究に関与する人材の育成にも力を入れています。特に、バイオメディカルリサーチのサマーインターンシッププログラムへの参加枠を拡大し、日本の医学生に国際的な経験を提供する計画です。これにより、次世代研究者のグローバルな視野とネットワーク構築を支援し、より多くの若手が橋渡し研究に携わることができるようになります。
フィオナ・マーシャル、ノバルティスのバイオメディカルリサーチ部門のプレジデントは、「日本の基礎研究力は非常に高いですが、その成果を新薬創出に結びつけることが課題となっている」と指摘します。国内での医薬品開発を促進し、基礎研究の成果をより早く臨床に結びつけていくことが求められています。
まとめ
このように、ノバルティスの「クリニカル トランスレーショナルリサーチ ハブ」の設立は、日本の医療研究の未来において大きな意義を持つものです。革新的医薬品の開発加速だけでなく、国内の人材育成や研究体制の強化を通じて、日本の創薬力を向上させると同時に、国際的な医薬品開発への貢献も期待されています。
今後も、ノバルティスが日本の医療においてどのような革新をもたらすのか、目が離せません。
会社情報
- 会社名
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ノバルティス ファーマ株式会社
- 住所
- 東京都港区虎ノ門1丁目23番1号虎ノ門ヒルズ森タワー
- 電話番号
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03-6899-8000