新刊『ポッタリひとつで海を越えて 在日コリアンの生活誌』
2024年10月1日、合同出版株式会社から新たな書籍が登場します。その名も『ポッタリひとつで海を越えて 在日コリアンの生活誌』です。この本は、植民地時代に国権を奪われた朝鮮半島から日本に渡ってきた多くの人々の生活を、さまざまな資料やインタビューを通じて明らかにしています。
植民地政策がもたらした影響
朝鮮半島からの移住者たちは、風呂敷包一つで新たな土地へと旅立ちました。しかし、その背後には日本の植民地支配の影響が色濃く残っていました。多くの人々が、生活の中でいかに貧困や差別に立ち向かってきたのか、本書はその様子を詳細に描写しています。意外にも、彼らはどんな困難にも耐え、ユーモアを念頭に置いて日々を生き抜いてきたのです。
在日一世がよく口にした言葉、「먹고 살아야지(食べていかねば)」「도와 주어야지(助けてやらなねば)」「배워야지([歴史を]学ばねば)」「근본을 알아야 한다(根っこを知らなければならない)」は、彼らの日々の生きる力を物語っています。
内容概要
本書は、昭和の生活を研究するグループによって編纂されました。目次を見てみると、在日コリアンの生活のさまざまな側面が網羅されています。以下の章が設けられています:
- - 在日の人々はなぜ海を渡ったのか
- - 在日コリアン家族の歴史:三重県桑名市の李秀渕一家
- - 住まい、食生活、衣生活における実態
- - 出産、婚礼・葬礼・祭祀、娯楽、教育、職業など
各章では、実際のインタビューや聞き書きから得た貴重な情報が詰め込まれています。特に、昭和30年代の家族の集合写真や、居間に飾られていた槿の刺繍といった具体的な写真も掲載されており、視覚的にも楽しめる工夫がされています。
文化の継承と地域の活動
この書籍には、在日コリアンの文化や歴史を次の世代に伝えていこうとする意義が込められています。著名な執筆者には、昭和のくらし博物館の館長や、生活史研究所の研究員など、多彩なバックグラウンドを持つ方々が名を連ねており、それぞれがレポートやエッセイを通じて深い考察を行います。
まとめ
在日コリアンの生活を知るための一冊は、このようにして完成しました。彼らが、いかにして困難を乗り越え、自分たちの文化を保ち続けてきたのかが、丁寧に記されたこの書籍は、ぜひ手に取って読んでみてほしいと思います。
書籍の詳細については、以下のリンクからご覧ください。
合同出版株式会社公式サイト
また、昭和のくらし博物館では、昭和の生活と文化を知ることのできる企画が行われています。詳しくは、同館の公式サイトをご覧ください。
昭和のくらし博物館