住友電工とクオルテックが共同研究で優秀賞を受賞
一般社団法人人工知能学会は、2023年度研究会優秀賞を発表しました。その栄誉を、住友電気工業株式会社(以下、住友電工)および株式会社クオルテックが共同で受賞しました。受賞研究は、住友電工の解析技術研究センター 開発企画部の星名豊氏と、クオルテックの研究開発部 人工知能研究チームの植木竜佑によるもので、タイトルは「障がい者参加型能動学習スキームを用いた電線ケーブル製品の素線追跡と詳細品質評価」です。さらに、2024年6月28日には慶應義塾大学三田キャンパスにて表彰式が開催され、栄えある表彰状が授与されます。
研究内容の概要
本研究は、特例子会社であるすみでんフレンドとの協力によるものです。住友電工では、同社の特例子会社であるすみでんフレンドを通じて、障がい者雇用を積極的に推進し、より多くの障がい者が多様な業務に参画できる環境を整備しています。この度の研究では、障がい者参加型の能動学習を活用した事例を紹介し、AIによる電線ケーブルの品質評価を実現しました。
特に興味深いのは、クオルテックが開発した新しい解析ソフトウェアが、障がい者社員による設計や品質評価業務への直接参画を可能にした点です。これにより、従来のオフィスサポート業務を超え、技術者としても活動できるチャンスが生まれました。研究チームでは、素線を自動的に検出する仕組みを考案し、アノテーション作業(教師データの構築)をしやすくしました。
植木竜佑のコメント
植木氏は、その取り組みに携わったことを光栄に思い、研究開発のモチベーションが高まったと語っています。「AIを活用したはんだの品質評価システムへの応用も視野に入れており、障がい者の皆さんのさらなるAI参画を進めていきたい」と述べ、今後の展望についても期待を寄せています。
クオルテックの取り組み
クオルテックは、半導体や電子部品の不良解析や信頼性試験を受託している企業で、品質管理に基づく工場経営のコンサルティングや新技術開発にも注力しています。照明加工や表面処理技術を駆使し、高度な微細加工を実現しています。今後も、人工知能を使った新たな取り組みが期待されており、社会貢献にも寄与していく意向を示しています。
会社概要
株式会社クオルテック
- - 代表取締役社長:山口友宏
- - 本社所在地:大阪府堺市堺区三宝町4丁230番地
- - 事業内容:
- 半導体・電子部品の不良解析及び信頼性試験
- 品質管理に基づいたコンサルティング
- レーザ加工・表面処理技術
- 試験装置の設計・開発・製造・販売
お問い合わせ先
このように、住友電工とクオルテックの共同研究は、ただの技術革新に留まらず、特に社会的意義に富んだ事例と言えるでしょう。今後のまだ見ぬ進展にも是非ご注目ください。