瀬戸内海の潮流エネルギーを活かす新たな挑戦
国立大学法人岡山大学から生まれたベンチャー企業、株式会社ハイドロヴィーナス。彼らは最近、「HIROSHIMA GREEN OCEAN BUSINESS BUILD 2024」に選ばれ、瀬戸内海の潮流を利用した新しい再生可能エネルギーの開発に乗り出すこととなりました。これにより、環境問題とエネルギー問題を同時に解決することを目指しています。
このプログラムは、広島県の地域産業の活性化を図るために設計されており、地場企業の常石商事が主催ホストとなっています。コンペ形式で行われたこのビジネスビルドフェーズでは、全国から参加した共創パートナー企業が持つ知識や技術を融合させ、持続可能な社会の実現を目指すための発想が求められました。ハイドロヴィーナスは、選考を通過し、その能力を証明する機会を与えられました。
したがって、ハイドロヴィーナスは環境生命自然科学分野の比江島慎二教授の技術に基づいており、独自の浮体型システムを開発しています。このシステムは従来の潮流発電とは異なり、設置工事を必要とせず、流れがあれば発電が可能です。これまでの実績として、河川や用水路で流速計や通信電源として利用されてきたこの技術は、環境に配慮したインフラとしての将来性があります。
株式会社ハイドロヴィーナスの代表取締役である上田剛慈氏は、「海での発電を希望していたが、実現には地元住民の協力が不可欠である」とコメントし、常石商事の力を借りて新たなソリューションを提供していく意欲を語っています。彼は、このプロジェクトが地域にとっても価値あるものになると確信しています。したがって、瀬戸内海の潮流を利用した発電の新しい形態が地域の活性化を促進することが期待されています。
岡山大学もこの取り組みを支援し、新たなイノベーションを地域社会及び国際的な文脈で生み出していくために、今後もスタートアップ支援に努めていく方針です。このような取り組みを通じて、岡山の未来を形作ることが期待されています。
さらに、ハイドロヴィーナスの取り組みは、持続可能な開発目標(SDGs)とも一致しており、地域社会や環境への貢献を強く意識したプロジェクトです。今後の活動が広く注目されることでしょう。
岡山大学は、スタートアップ支援を専門に行う部門を設け、技術シーズやビジネスプランの事業化に向けてアドバイスや経営相談を行っています。起業に興味のある学生や教職員は、気軽に相談できる窓口が設けられているため、新たなベンチャー創出への歩みを支援する体制が整っています。
このように、岡山大学発のベンチャー企業が環境問題に立ち向かう姿勢は多くの希望をもたらします。潮流発電を核にした持続可能な未来が構築されることが期待されています。