腎臓病と糖尿病の社会生活における実態調査結果を発表

腎臓病と糖尿病：社会生活における実態調査

日本では腎臓病や糖尿病を抱える人々が増加しています。厚生労働省が実施した「国民生活基礎調査」によれば、疾患を抱えながら通院中の労働者の割合は年々上昇し、労働人口のおよそ3人に1人が何らかの病気のために通院しているとされています。そのため、病気を持つ人たちが社会で安心して生活できる環境を整えることが求められています。

調査概要

近年、腎臓病や糖尿病に関する実態調査が行われ、その結果が公表されました。調査はウェブアンケート方式で行われ、対象は腎臓病や糖尿病の当事者に限定されていました。調査期間は2024年3月から5月にかけて行われ、有効回答者数は108名でした。

アンケート内容

調査内容は当事者が抱える悩みや困りごと、治療と仕事・学業の両立について具体的な質問が設けられました。主な質問は以下の通りです。

- 腎臓病・糖尿病がわかった時点の職業
- 治療と仕事の両立に関する悩み
- 相談相手の有無とその内容
- 社会生活における具体的な変化

調査結果の概要

調査結果によれば、腎臓病や糖尿病を抱えている方の約70%が既に就労中であることがわかりました。主な結果は以下の通りです。
1. 治療と仕事の両立の悩み：8割近くの方が治療と仕事や学業の両立に関して何らかの悩みを抱えています。しかし、相談相手がいないと答えた方はほぼ半数にも上りました。
2. 社会生活の変化：腎臓病や糖尿病の診断後、6割以上の方が社会生活に変化を感じていると回答。具体的には、仕事の負担軽減の申し出や配置転換が必要になるケースが見られました。
3. 理解の重要性：治療に伴う体調の不安や、周囲の理解を得られないことが原因で人間関係に悩む方が多数を占めています。

まとめ

この調査は、腎臓病や糖尿病を持ちながら社会生活を営む人々の声を集めたもので、周囲の理解を得ることがいかに重要であるかを再確認させる結果となりました。今後、より良い社会生活を実現するためには、病気を抱える人々のニーズや困りごとに耳を傾ける姿勢が求められます。

詳細な調査結果については、こちらをご覧ください。また、腎臓病や糖尿病の当事者の日常的な健康チェック記録に関する第9回調査結果も公開されていますので、合わせてチェックしてみてください。