iCD協会が発表したWingsⅡの改訂
一般社団法人iCD協会は、東京都千代田区に本社を置き、IT人材の育成や評価を目的とした重要なプロダクト「WingsⅡ」の改訂を行った。この改訂は、最新のグローバル標準であるSFIA(Skills Framework for the Information Age)のバージョン9へのアップデート、およびiCDタスクディクショナリの大幅な拡充に基づいている。これらの変更は、技術者のスキルの明確化を図るもので、IT業界全体における人材育成を一層推進する役割を担っている。
WingsⅡの改訂内容
今回の改訂では、以下の主なポイントが強調されている。
1. SFIA9バージョンアップの概要
- - 新しいスキルと職務の追加: SFIA9では、特にデジタルトランスフォーメーション、クラウドコンピューティング、AI(人工知能)、機械学習に関連するスキルが追加された。これにより、現代のテクノロジー業界の動向を反映し、多様なスキルセットに対応できるようになった。
- - 職務レベルの再定義: スキルレベルの設定がさらに明確になり、高度な技術が求められる役職についての責任と成果がより具体的に定義されるようになった。これにより、キャリアパスも明確化され、スキルの発展がイメージしやすくなった。
- - 新しい技術領域の強化: サイバーセキュリティの重要性が増す中、関連するスキルが強化され、データサイエンスやデータエンジニアリングに関連するスキルも追加された。データに基づく意思決定がますます重要視される中で、この変更は特に価値が高い。
- - グローバルな適応性の強化: このフレームワークは国際的に広く使用されているが、SFIA9では多国籍企業や国際的なチームでの運用において、各国の特性にフィットするようポジションが調整されやすくなった。
2. iCDタスクディクショナリの拡充
iCDタスクディクショナリについては、10月9日にリリースされた最新情報を元に大幅な拡充が行われた。これにより、SFIA以外のスキルにも対応する内容が充実し、経営企画やクラウドエンジニアといった雇用市場で必要とされる多様な職務に対する知識が整理されている。
3. 改訂版WingsⅡの特長
- - WingsⅡは141種類のスキル項目に対応したバージョンもあり、企業のニーズに合わせた柔軟な使用が可能である。これにより、各スキルの下部には関連するタスクとの紐付けが定義されることにより、業務の効率化が期待される。
今後、iCD協会は引き続き国際基準に準じた更新を行い、「WingsⅡ」を利用する企業に対して、適切な人材評価の支援を行っていく方針である。また、WingsⅡのビューを活用して、企業内での人材の把握や分析を支援する新たなサービスもリリース予定であり、テクノロジー人材育成の一層の進展が期待されている。
まとめ
一般社団法人iCD協会は、IT人材の育成という重要な課題を提起する中で、SFIA9へのバージョンアップを実施。これにより、テクノロジー関連のスキルをより的確に評価し、育成する道を開くこととなった。これらの動きは、業界全体にとって大変意義深いものであり、今後の展開にも大いに期待が寄せられる。